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HAPPY BLUE SKY 婚約時代 3

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HAPPY BLUE SKY 6 
(1−1)

クゥ中佐の研究室入室が早まった。予定よりも3ヶ月も早まった‥
私とクゥ中佐の身辺も慌ただしくなってきた。先月に両家の会食をして顔合わせをした。次はサマーバケーション辺りで、結婚式やパーティの事を決めるつもりだったが。そんな悠長な事を言ってられない事件が起きた。事件だよね?コレ‥

私の父がまたN国に入国した。先週に国際電話でクゥ中佐の事を話した。黙っているわけにはいかないから。また入国の際には、両手に一杯の荷物を持っていた。私とさとに空港に迎えに来いと言ったワケがわかったわ。

「この前は急だったからな。ボンバードのお父上には何もお渡しできなかった。その土産とか、おまえ達の物もあるんや。ほれ‥持ってくれ」
私とさとに両手に下げていた荷物を渡した父だった。

父が入国した事で、クゥ中佐の父・ボンバード海軍准将もまたN国に入国した。クゥ中佐は私にこう言った。
「声が嬉しそうだったぜ。その電話で俺に飛行機のチケットを予約しろって言ったんだ。また所用にカコつけて帰ってくるつもりだ。ま‥もうすぐ退官だからな!自由は利くさ」

ボンバード海軍准将は、11月に退官する事になっている。10月には、海軍のファイン支部に一旦帰所し残りの1ヶ月勤務をして、ファイン支部で退官することになっている。その準備の為と言えば、N国に帰国するのも安易なモノであった。私同様にクゥ中佐も空港に、ボンバード海軍准将を迎えに行って、荷物の多さにため息をついたそうだ。

また、ボンバード海軍准将がご自宅にお帰りになってから、息子のクゥ中佐にもちかけた話があった。老朽化しているボンバードの家のリフォームを考えていたが、家は思ったより老朽化が進んでいた。それならば一層の事、老朽化した家を建てなおしてはどうかと。その時に私達も一緒に住まないかと言われたそうだ。私もクゥもまだ、新居の事など考えてもいなかったから、この事を聞かされた時はビックリしたもんだ。

この話を聞いた時は、クゥは私の意思を尊重すると言ってくれた。これから多忙になるクゥだ。結婚してからも、海外公務も多いだろう。N国に住んで5年近くになるけど、新居に1人だとやはり、寂しいかもしれない。また、私は父上(ボンバード海軍准将)ボンバード家の執事さん・コック長が大好きだ。この方達と一緒にいれば寂しさが随分と違うだろうと思った。私はクゥに承諾の返事をした‥父にもその事を話したのだが。

ボンバード家でディナーを頂いて、私達と親は話をした。さとは一緒に来ていたが、コタを散歩に連れて行ってくれた。気を利かせたのだろ‥
「一美から聞きましたが、家を建てなおしされるそうで」と父は話を切り出した。
「はい。一美さんから嬉しいご返事を頂きましてね」
「クゥ中佐!式やパーティの話はどうなっているのかね?あれから話は進んだのかね?」
うちの父は、クゥに聞いた。正直なところ、私達はまだ何も決めていなかった。先週に研究室入室の話を聞き、結婚式を早める事は決めたのだが。

「何だ‥まだそれしか、決まってないのか?」
「はい。聞かされたのが先週ですので。これから動こうかと思っていました」
そのクゥの答えに、うちの父とボンバードの父上は顔を見合わせてうなづいた。いやぁん‥何で二人で顔を見合わせてうなづくわけ?それを見た‥私とクゥは顔が引きつっていた。

(1−2)

翌日から、俺と一美は親達に引っ張り回された。家の事もあったが、まずは結婚式・パーティ関連だ。また一美の親父さんのコネもあって市内のグレードの高いホテルにも行った。それはパーティ関連だったが‥一美は疲れたのか、ラウンジのテーブルに顔を突っ伏していた。足も痛いのだろう‥ハイヒールで長時間歩いたし。

「もうぉ‥だからイヤなん。あの人と行動するん」
一美はよっぽど疲れたのだろう。日本語でそれも京都弁でしゃべっていた。京都弁だとわかったのは、さとに教えてもらったからだ。俺は一美の頭を手でなでてやった。
「はいはい。でも‥許してやりな。俺のところもそうだから!」
俺の親父も今日は子供の様にはしゃいで、よくしゃべり・よく笑った。(俺はこんな親父は初めて見た)一緒についてきた執事のジィさんは俺に言った。
「旦那様は(親父)嬉しいのでございますよ。坊ちゃまのご結婚が決まってから、私によく電話をしてきて、一美様の事やあなた様の事をお聞きになって。また、今度は一緒に住まわれるのですから、旦那様のお喜びは天にも昇る勢いですよ」と‥言った。

一美は足を手でさすりながら、言った。
「そうだよね。うちの父も同じだ‥あの鬼の裕さんが笑ってた。またね‥私の事を着せ替え人形と間違えてるみたいで。あれも着ろ、これも着てみって!クゥの意見も聞かないで」
「うちの親だってそうさ。娘いないからさ‥また嬉しくって。ウェディングドレスなんてわかりもしないくせにな」俺達は顔を見合わせて笑った。
「それも親孝行って事ですね」
「かもね。ま‥今日行った分では決定じゃないから。楽しませてもらおうかな。もう少しだけ時間があるし」
「うん。今度はあの2人に負けないぐらい、俺達も楽しまなきゃな」
「うん。あぁ‥お腹空いた。ノドも渇いた!ね‥ケーキ食べていい?3個でやめとくから。後、甘いカフェオーレ飲みたいな」一美は俺に、あの一美スマイルをした。
ケーキは2個・カフェオーレはシュガー2杯で止めさせたけどな。

(1−3)
俺は中佐室で、第1TOP達に囲まれた。それもランチ休憩が始まった直後にだ。
「な‥何だ?おまえらは‥よってたかってまた俺1人だけ詰問か?」
俺は右手をワナらせながら言った。アーノルド少佐がまた‥あの【アーちゃん・スマイル】をして俺に言った。

「先週の公休の日に、両家親引き連れて市内のXXXホテルに居ませんでしたか?ダフリン中佐が見たそうですよ。ラウンジでバクバク‥スィーツ食ってるカッジュと中佐を」
「ダフリン中佐は、パーティ会場の下見ではないかと疑ってますよ。中佐」
俺の肩を揉みながら、ディック主任が言った。俺もバカではない。この第1TOPの怖さを知っているからな。無駄な抵抗をせず、報告を兼ねて話をした。

「おめでとうございます!イキナリの急展開ですか?」
「おめでとうございます。いやぁ‥それって研究室入室が早まったからですか?」
「おめでとうございます。俺はてっきり‥カッジュにベビーちゃんが‥ッテェ」
俺はそばにあった雑誌でツィッター副主任の頭を叩いた。

「そ‥そんなことしてみろ!俺は中村先生と理事長先生に怒鳴られるぞ。立野の親父さんに日本刀でバッサリやれられるぞ!それはちゃんと気をつけてるぞ!」
と‥ツイ怒鳴ってしまった。中佐室の外では、部員が聞き耳を立てていたらしい。大勢の笑い声が聴こえたから。

結局‥俺はアーノルド少佐達に追及されて、大方しゃべってしまった。
「あらら‥カッジュの親父さんのコネは使わなかったんだ」
「堅苦しいのキライだもんな。カッジュも中佐も」
「で‥そこでお家のコック長が登場して」
「式場はどーしたんですか?NATOC職員が使うXXX教会空いてなかったでしょう?その日付じゃ‥」