HAPPY BLUE SKY 後編5-2
俺も久しぶりの大ヤマに緊張していた。また神経も張りつめていた‥俺でこれだ。エージェント3年目のカッジュは俺以上に緊張している。また精神的にも極度に緊張しているのがわかった。マグカップを持っている手が、小刻みに震えているのがわかったから。
「も‥申し訳ありません。ふ‥震えが止まらないんです」
肩を震わせて‥つぶやくように言ったカッジュだった。俺はカッジュの持っていたマグカップを手から外し、テーブルの上に置いた。そして自分の胸の中にカッジュを抱いた。
「今度のヤマは大きいヤマだ。俺もこんな大きいヤマは久しぶりなんだ。聴こえるだろう?俺も緊張してるんだ‥いつもより心拍が早いような気がする。君だけじゃない」
その声にカッジュは、俺の胸の中でうなづいた。カッジュの頭を手で撫でながら、俺はカッジュに言い利かせた。
「このヤマで隊員が命を落とす様な事は俺は絶対させたくない。俺も大佐も中佐も部長も同じ考えだ。こんな時こそ、肩の力を抜いて落ち着くんだ。人間冷静であれば、どんな場面でも違う局面が見えてくる。それで命が助かった例はいくつも報告されているんだ。後数日で大局面を迎えるのは確実だから。な‥カッジュが落ち着くまでこうしているから。胸の中で眠ってもいい‥俺もそのまま眠るよ」
そう言って、少佐は私を抱きしめてくれた。私の中の緊張は次第に解されていき、数時間だが少佐の胸の中で熟睡した。もうすぐ‥この長期公務が終わる!タイムリミットまで後2日‥ファイン支部エージェント全隊員は一丸となってC国内を駆け回った。
HAPPY BLUE SKY 2 後編 完結です。
作品名:HAPPY BLUE SKY 後編5-2 作家名:楓 美風