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HAPPY BLUE SKY 中編

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心の変化【2】



私は選手として復帰して1年が過ぎた。また選手と隊員を兼業してから、多忙になったが、充実した日々を送っていた。1年の間に公式試合を5本消化し、招待試合も5本消化した。明日の招待試合が終われば、選手としての今年の仕事は終わりだ。この招待試合の前にM国で行われた公式戦に出場した。遠く離れたM国だったので、途中でN国に帰国はできなかった。やっと‥ファイン支部に戻れる。1ヶ月ぶりにボスやTOP様・先輩達・トムさんの顔が見れると思ったら、心が弾んだ私だった。

その頃、ファイン支部では先輩達とミラド先生がこんな話をしていた。先輩達が話をしていたのは少佐の事だ。最初は私の事が話題に上ったらしいが、ミラド先生がデスクに座っている少佐を見て先輩達に小声で話した。
「少佐さ‥何だか寂しそうに見えないか?」
「‥‥見えます。2週間目位から」
「カッジュは大体1週間〜2週間位で一旦支部に戻って来るんですけど」
「今回はM国だから、公式戦・招待試合だからね。期間1ヶ月ですよ」
「M国は遠いから、カッジュはそのままM国に1ヶ月滞在なんですよね」

アーノルド主任が外出から帰って来て、ミラド先生達の話に加わった。
「少佐‥カッジュが支部にいないから寂しいんだ。捕り物だってさ、カッジュが居る時は楽しそうにオーダー出すじゃないか。カッジュがいないからそれもできないしさ」
アーノルド主任は少佐に分からないように、ファイルをミラド先生達に見せた。それは、アーノルド主任が独自に統計を取っていた【少佐のため息】回数だった。

俺は部下達やミラドからそんな風に見られているとは、この時は思いもしなかった。それだけ顔と態度に出ていたのだろうか?出したつもりはなかったのだが。選手として復帰するまでは、カッジュは俺のそばにいつもいた。仕事中はもちろんだが、オフも街中でカッジュとよく逢った。カッジュはオフの日は趣味の【街歩き】をしていた。

俺もオフの時は気分転換に街をよく歩くし、ランニングにする事もあった。ジャージ姿の俺を見つけて、カッジュから走り寄って来た事もあった。俺がカッジュを見つけて手を振った事もあった。その度にカッジュにタカられた。アイツは俺の顔を見たらすぐに、【お腹が空いた】とか【のどが渇いた】とか言う。俺に逢えば食べさせてもらえるとでも思っているのか?俺も腹が減ってた事もあって一緒に食べたが。この2年間で、オフでは軽く両手は、カッジュに食べさせてやったな。また仕事中の捕り物には、必ず【ご褒美】をカッジュに支給したからな。それを見た周りのヤローどもは、俺の事を【カッジュのパパ】と呼びやがった。

でも‥この1年間はオフでも街中でカッジュの姿を見る事がなかった。選手と諜報部員の兼業で、体力的にも疲労が溜まっていたのだろう。オフの日は寮の部屋で爆睡していたカッジュらしい。よく部室でカッジュが俺の顔を見て言ったものだ。
「近頃‥ボスに逢いませんね。行きたいお店があるのに」
「誰かさんが夕方まで爆睡してるからだろう。俺は変わらず散歩やランニングしてますけどね。どこだ‥行きたい店って」
「エッと!中通のクラブサンドウィッチが美味しい店です」
「はいはい!わかったよ。今度のオフの時は昼までに起きろよ」
俺はブツブツ文句を言いながらも、カッジュの行きたがった店に連れて行くのだ。ミラドやTOP達に【甘い】と言われても仕方ないか。
作品名:HAPPY BLUE SKY 中編 作家名:楓 美風