CROSS 第4話 『嫌な任務』
第1章 基地に到着
第4話 『嫌な任務』
【時間軸】 … 異次元歴42733年 9月28日
【場所】 … 大日本帝国連邦軍司令部基地
特殊部隊『CROSS』の特務艦は、なんとか大日本帝国連邦
軍の陸軍基地の修理ドッグにたどりついた。ドッグに入港後
すぐに、艦の修理が始まった。修理の間、技術者の隊員以外
の隊員は、基地の中にある保養施設で過ごすことになってい
る。保養施設には、食事したり、遊んだりするところが充実
している。あと、軍が直接管理している「慰安所」もある。
基地自体は、街1つ分ぐらい広く、空にあたる天井部分か
らは、特別なガラスをはさんで基地の外に広がる異次元空間
を見ることができた。
修理ドッグの特務艦を見渡せる所に、山口少佐とこの修理
ドッグの長がいた。
「……ずいぶんやられたな」
初老の主任が山口に言った。
「うちの艦は、対モビルスーツ戦が苦手だからな」
「……どうだ、おまえの特務艦にもモビルスーツを乗せたら
どうだ? 中古だが、安くていいのがあるぞ」
長は、中古の戦闘用モビルスーツのカタログを見せた。確か
に安いが、山口は首を横に振った。
「悪いけど、うちの部隊はモビルスーツは使わないことに決
めてるんだ。それに、うちは歩兵の部隊だ。大きな兵器は
使用しない」
「……そうかい、自分の部隊にこだわりを持ってるんだな。
見直したよ」
「それじゃあ、修理と改装が終わったら連絡してくれ」
「あいよ。死角を無くすために、連射砲を追加しておきゃい
いんだな」
山口は修理ドッグを出て、他の隊員が待つ保養施設に向かっ
た。
作品名:CROSS 第4話 『嫌な任務』 作家名:やまさん