クリスマス終了…サンタさんは?
空の上にあるガラス張りの部屋では‥
サンタさん・トナカイさんが集まっている。
みんな‥クリスマスが終わり表情も和らいでいた。
椅子に座って‥サンタさん達は話をしていた。
「今年はいつになく寒かったな」
「うんうん‥日本は震災や台風で異常気象が続いてたからな」
「また‥例年になく不景気だったな」
サンタさん達の後ろでは、またトナカイさん達も同じようにうなづいていた。
ドアが開いた。
今まで話をしていたサンタさん達が、一斉に立ち上がって頭を下げた。
入ってきた人物は、サンタさん達の元締めである「大サンタクロース」だった。
「諸君ご苦労であった‥今年も無事にクリスマスイブ・クリスマスが終わった。これも諸君が頑張ってくれたからだ。今年は日本や各国で自然災害や暴動など色んな事が起こった1年だったな。では‥報告をしてくれ!A地区 担当サンタ君から」
指名されたサンタさんは‥軽くうなづいて立ち上がった。
「私が担当しましたA地区は失業者が前年よりも増え。クリスマスプレゼントを買えない人達がいました。またクリスマスプレゼントを買えない人達に、私にできる限りのプレゼントを届けてきました。その数XX人で、前年より‥」
A地区のサンタの報告から始まりZ地区のサンタの報告が終わるまで、大サンタクロースは黙って聞いていた。報告が終わってから‥軽く息を吐いて口を開いた。
「諸君‥本当にご苦労であった。今年のクリスマスは前年クリスマスよりも、失業者も増え‥また生活に困窮している者も一段と増え辛い年になってしまった。でも‥君たちサンタクロースがそんな人たちに、ささやかであるがプレゼントを配ってくれた。見よ‥」
大サンタクロースは持っているステッキが床を一突きした。
床一面には‥ラッピングされたプレゼントを見て喜ぶ子供の姿や、年老いた老夫婦がプレゼントを持ってお互いの顔を見て嬉しそうに笑っている姿も見えた。サンタ達が送ったクリスマスプレゼントにみな‥喜んでいた。
大サンタクロースは‥またステッキを一突きした。今度は声が聞こえた‥
「嬉しいな!やっぱりサンタさんはいるんだよ。わたし‥このお人形欲しかったの」
「ボクもだよ!パパやママにお願いしてもムリだと思ってたから。嬉しいな」
プレゼントもらって喜んでいる子供達の声が部屋にこだました。
「みんな喜んでくれているんだ。君達の心のこもったプレゼントにな!では‥今年の最優秀サンタクロースを発表する」大サンタクロースは軽く咳払いをした。
最優秀サンタクロースは‥大サンタクロースより表彰状と金のバッジをもらった。上気した顔で受け取り‥大サンタクロースと握手を交わした。
「来年も頑張ってくれたまえ。最優秀サンタクロースもここにいるサンタクロース全員もな!トナカイ達も!さぁ‥今宵は仕事の疲れを癒したまえ。お疲れ様パーティをしようではないか!」
大サンタクロースの声と共に、床の下から料理やシャンパンやワイン・ケーキが現れた。そして‥大サンタクロース・サンタクロース・トナカイ達はパーティを楽しんだ。
みんな‥食べて飲んで大いに楽しんだ。また酔っぱらって寝言を言ってるサンタもいた。
「来年もがんばる‥ぞ。1人でも多くの人にプレゼントをとどけ‥るんだ」
その言葉を聞いた大サンタクロースは‥嬉しそうにうなづいた。
「頼むよ‥諸君!私も頑張るからな‥さぁ!もっと食べてもっと飲んでくれ!」
また大サンタクロースは笑いながら‥床をステッキで一突きした。
完
作品名:クリスマス終了…サンタさんは? 作家名:楓 美風