ネットラブ…して変わった私
思わぬ結末‥その2
何か部屋で物音がした。そして慌てた声で夫の返事が返ってきた。
「ちょ‥ちょっと待ってて」
また何か物音がした‥待つこと5分 (ー_ー)!! そしてドアが開いた。
私は夫の顔を見るより先に‥トレーを持ったまま部屋の中を見渡した。
「な‥何見てるんだよ」ちょっと慌ててる夫が言った。
「物音が何回もしたから‥何やってたの?最近多いよ‥部屋に籠ってること」
夫は今‥懸命に頭の中で私の問いに答える言葉を探しているようだ。
「そのクセ‥全然変わってないのね。予測外の事が起きたら‥額に汗滲ませるの」
私の言った言葉に‥慌てて額の汗を手で拭った夫だ。
夫は軽く息を吐いた‥
「美菜子の言いたい事・聞きたい事わかってる。ごめん」謝った夫だったが。
「謝って欲しい訳じゃない。私だってネット依存症だったし。何か理由があるのなら話してくれないかなって思ったの。ね‥コーヒー飲みながら話して。あなたの好きなコーヒー豆ドリップしたんだから」マグカップを夫に手渡した。
私はマグカップを手渡しながら、夫を観察していた。普段の夫は、必要最低限しか自分の身をかまわない人だった。「見た目が見苦しくなければそれでいい」人だ‥他の事には結構無頓着だ。以前の私も同じような感じだった‥だからお互いに興味がなかった。でも今‥私の目の前にいる夫は違う。私の脳裏にはある事がよぎった。
持っているマグカップが小刻みに震えているのが‥自分でもわかった。
「う‥浮気してるの?そーいう人がいるの?」私の言葉に‥夫は目を見開いた。
「‥してない!浮気なんかしてないよ‥そんな女もいない」
「じゃ‥どーして?」私の問いに‥夫はまた黙ってしまった。
作品名:ネットラブ…して変わった私 作家名:楓 美風