小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

Bond Rings

INDEX|1ページ/2ページ|

次のページ
 

Bond Rings


 いかがですか。きれいなリングネックレスでしょう?私の一番大切にしているアクセなんです。それには、理由があるんです。どうかそのお話をお聞きください。


 あるとき、リビングにある木製のチェストの、上から2番目の左の引き出しを開けてみると、金や銀のオーナメントで飾られたクリスマスツリーの横に、金文字で「Merry Christmas」と書かれた、ワインレッド色の袋を見つけました。私はその袋の中身がなぜか気になり、取り出して、ビリジアンのリボンをほどいて中身を出しました。それは、クリスタルの指輪ケースでした。これは、もしかして…。
 ケースを開けてみると、側面に「Stephen 09/07/2016」と刻印のある、ホワイトゴールドの小さな指輪があったんです。

 それには、7月の誕生石であるルビーが付いています。私は理解しました。この美しい指輪は、昨年のクリスマスに贈るはずだったプレゼントなのだと。私はいろいろ想像しました。最愛の夫がプレゼントを選ぶ場面、プレゼントをこのベビーリングに決めた場面、そして購入後、ほほ笑みながらプレゼントを見つめ、ひそかにこの引き出しにしまう場面…。既にこの世を去った彼の、静かだけれど深い愛情を感じ、胸と目頭が熱くなってきました。
「…こんなに素敵な、素敵なプレゼント、本当にありがとう」
 チェストの上に置かれた、天使が飾るフォトフレームの中の彼の写真に向かって、私はお礼を言いました。

 私はベビーリングの使い方を調べて、ネックレスにして身に着けることにしました。実際にチェーンを通してみると、それは美しいネックレスになりました。
「ふふ、とってもきれい」
 リングネックレスを見ていると、私は別の指輪のことを思い出しました。
「そうだわ」
 私は、もう身に着ける人の居ない結婚指輪を持ってきて、チェーンに通しました。そして、自分の結婚指輪を外し、ベビーリングが一対の指輪の間に来るようにチェーンに通しました。
「ねえ見て。私、あなたがくれたベビーリングに、ちょっとアレンジを加えたの。ほら、これで私たちはいつも一緒でしょう?」
 実際にそれを身に着けて、今は亡きティモシーの写真を見ながら言いました。写真の彼は、美しい笑みを浮かべていました。


 かわいいスティーブンが、ちょうど1歳になった日のことでした。


 あなたと赤ちゃん そして私

 私たちをつなぐ Bond Rings
作品名:Bond Rings 作家名:藍城 舞美