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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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びっくりボックス 2

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ヨシユキは、ある夜こんな夢を見た。

 彼の一行がカナダのどこかの町を歩いていると、「Pleasure Box」と書いてある、簡易トイレのような縦長ロッカーのような箱が六つ並んでいた。それらを見たヨシユキは言った。
「お、またこんな箱がある。また面白いやつかな」
 そう言って、前回同様、彼は真っ先に一番左のボックスに入った。5秒後、ヨシユキの頭上に、何か中身の入った袋のようなものがいくつか落ちてきた。
「いった!何だ!?」
 1袋を拾ってみると、それはポテトチップスだった。
「へえ、ポテチか」
 彼は、床に落ちたポテトチップスの袋をすべて抱えて出てきた。
「見てくれ、みんな。この箱、上からポテチが落ちてきた」
 そう言うと、彼はポテチを一人一人に渡した。仲間たちは驚いたり、半信半疑の表情を見せたり、それぞれの反応を示した。


 次に、トシロウが左から2番目のボックスに入った。10秒後、彼の頭上に、数枚の写真が落ちてきた。彼はそのうちの1枚を拾うと、それは自分の恥ずかしい姿の写った写真であった。トシロウはボックスの中で写真をビリビリに破き、平静を装ってボックスから出た。ヨシユキが彼に尋ねた。
「トシくん、面白いもん出てきただろ?」
「いや、別に何もなかったぜ…」


 それから、トモアキが左から3番目のボックスに入った。15秒後、ボックスの天井から、何枚かの布切れのようなものが落ちてきた。彼がそれを拾ってよく見ると、それは女性のランジェリーだった。トモアキは顔を赤くして、それを床に放り投げた。
「何も見なかったことにしよう…」
 彼がボックスから出たときも、彼の顔は赤かった。そんな彼を見て、スズコが聞いた。
「どうしたの、赤い顔して」
「いや…俺、何も見てねえ…」
 賢いスズコは、トモアキが何かを隠していると直感したが、黙っていた。


 今度は、ヒロシが右から3番目のボックスに入った。その床には、何やら膨らんだクッションが1個置いてあった。そして、壁には
「SIT DOWN ON THAT CUSHION」
 と書かれた貼り紙があった。英語を読めるヒロシは、貼り紙の指示通りにクッションの上に腰掛けた。すると、クッションが汚い音を立てながらしぼんだ。彼はびびった。もしかすると、この音が外にいるスズコに聞こえていたかもしれない。
「俺は何もやってねェ…!」
 彼はそう独り言を漏らすと、黙ってドアを開けて出てきた。スズコは、中で鳴った音に気付いていなかったようだ。


 続いて、スギヒロが何も言わずに右から2番目のボックスの中に入った。20秒ほどたったとき、彼の頭上に何かが落ちてきた。
「いてっ!」
 それを手に取って見ると、おにぎりだとわかった。それに続いて、8、9個のおにぎりが落ちてきた。彼はおにぎりを片腕に抱えたまま、もう片方の手でドアを開けた。
「何だか知らねぇが、おにぎりがたくさん落ちてきたぜ」
 そう言って、彼はそれらを仲間たちに分けた。


 最後に、ホシカワ・ゲンが一番右のボックスに入った。30秒後、彼の頭上に何やら液体がかかった。
「わっ、何だ、冷たい!」
 においから判断して、その液体はコーラだった。
「こ、これは、コーラ…!ひえええ〜!お、俺、炭酸は苦手…!」
 彼の声を聞いた仲間たちは、何事かと彼の入ったボックスのドアを凝視した。その直後、ゲンがコーラのにおいとともにボックスから出てきた。
「はぁ、はぁ、全然プレジャーじゃないッスよ…」


 以上、ナンセンス極まりない世界第2弾にお付き合いいただき、ありがとうございましたm(_ _)m


                                ― Fin ―