リュウセイニ
見えなかった空があるように
コウモリが飛ぶ夜中に
見える空があるように
たったすこしの違いだけが魅せる思い出を
夢のなかで一番美しいと思う白い世界で
その白に囲まれ息をするように
街のなかで一番汚いと思う灰色の世界で
仕方なく息をする
同じ行為に思いを馳せるのだ
声に出したら意識するから
喉を閉めて
出てこようとする溜め息を飲み込む
飲み込んだ溜め息は肺を巡り
血液に混じり
日々の些細な重荷に変わるのだろう
空が白いうちに溜め息を1つ
空が暗くなったら溜め息を2つ
そして突然降ってきたリュウセイに
些細な感動を