「歴女先生教えて~パート2」 第四十話
朋美は新しい父親と母親の住む家に来ていた。
食卓を囲んで三人は久しぶりに話をすることになった。
「ねえ、朋美。将来のこと考えたの?上に行きたいと言っていたわよね」
「うん、そのつもり。お母さんが許してくれるんだったら名古屋か大阪の大学に通いたいの」
「ええ?それは聞いてないよ。どうしてなの?」
「地元でもいいんだけど、都会の暮らしに憧れるから」
「大学出たら戻ってくるのよね?」
「戻らないといけない?」
「向こうで就職をするって考えているの?一人暮らしなんか大変だわよ」
「そうだけど、ここに居るよりは勉強ができるし、立派な施設もあるから、そこで自分を試したいの」
「困ったわね、あなたどう思う?」
母親は夫にそう聞いた。
「朋美ちゃん、お母さんは傍に居て欲しいと思っているんだよ。いつもキミの話をしているからね。自分がここに来たことで遠慮している部分はあるけど、私も名古屋や大阪へは行ってほしくないと思うよ」
「お義父さんが迷惑と感じるなら、お金のことはおばあちゃんに頼む。この話はおじいちゃんとおばあちゃんには聞いてもらって賛成してもらえているの」
「朋美、おまえそんなに私のことが嫌いになったのかい?」
「そんなこと言ってないじゃない。私は勉強したいから都会に行きたいって思っているの。お姉ちゃんにも話したら、頑張れって言ってくれたし。美穂先生のように生き生きとした、そして家庭と仕事を両立できる自分になりたいの」
「都会じゃなければそうなれないって言うの?」
「どこかで甘えている自分がいるから、一人になって試さないと叶わないって思えるの」
「そこまでの気持ちがよく解らないけど、おじいちゃんやおばあちゃんには無理を頼まないで欲しい。お前は私の子供だから、お金はお母さんが何とかする。安心しなさい」
「お母さん・・・わがまま言ってごめんね。本当は・・・」
そこまで言いかけて朋美は泣いてしまった。
母親はすべてを察したのであろう。何も聞かずに、そして夫に
「あなた、いいでしょう?」
夫は深く頷いて、朋美の肩に手をやり、
「心配かけたね。お母さんは朋ちゃんのことを一番大切に考えているんだよ。それが私にはよく解る。時間をかけて許してくれたら、本当のお父さんに負けないように頑張るよ」
「お父さん・・・」
朋美はお義父さんではなく、お父さんと言った。
食卓を囲んで三人は久しぶりに話をすることになった。
「ねえ、朋美。将来のこと考えたの?上に行きたいと言っていたわよね」
「うん、そのつもり。お母さんが許してくれるんだったら名古屋か大阪の大学に通いたいの」
「ええ?それは聞いてないよ。どうしてなの?」
「地元でもいいんだけど、都会の暮らしに憧れるから」
「大学出たら戻ってくるのよね?」
「戻らないといけない?」
「向こうで就職をするって考えているの?一人暮らしなんか大変だわよ」
「そうだけど、ここに居るよりは勉強ができるし、立派な施設もあるから、そこで自分を試したいの」
「困ったわね、あなたどう思う?」
母親は夫にそう聞いた。
「朋美ちゃん、お母さんは傍に居て欲しいと思っているんだよ。いつもキミの話をしているからね。自分がここに来たことで遠慮している部分はあるけど、私も名古屋や大阪へは行ってほしくないと思うよ」
「お義父さんが迷惑と感じるなら、お金のことはおばあちゃんに頼む。この話はおじいちゃんとおばあちゃんには聞いてもらって賛成してもらえているの」
「朋美、おまえそんなに私のことが嫌いになったのかい?」
「そんなこと言ってないじゃない。私は勉強したいから都会に行きたいって思っているの。お姉ちゃんにも話したら、頑張れって言ってくれたし。美穂先生のように生き生きとした、そして家庭と仕事を両立できる自分になりたいの」
「都会じゃなければそうなれないって言うの?」
「どこかで甘えている自分がいるから、一人になって試さないと叶わないって思えるの」
「そこまでの気持ちがよく解らないけど、おじいちゃんやおばあちゃんには無理を頼まないで欲しい。お前は私の子供だから、お金はお母さんが何とかする。安心しなさい」
「お母さん・・・わがまま言ってごめんね。本当は・・・」
そこまで言いかけて朋美は泣いてしまった。
母親はすべてを察したのであろう。何も聞かずに、そして夫に
「あなた、いいでしょう?」
夫は深く頷いて、朋美の肩に手をやり、
「心配かけたね。お母さんは朋ちゃんのことを一番大切に考えているんだよ。それが私にはよく解る。時間をかけて許してくれたら、本当のお父さんに負けないように頑張るよ」
「お父さん・・・」
朋美はお義父さんではなく、お父さんと言った。
作品名:「歴女先生教えて~パート2」 第四十話 作家名:てっしゅう