びっくりボックス
ヨシユキ一行が日本のどこかの町を歩いていると、「びっくりボックス」と書いてある、簡易トイレのような縦長ロッカーのような箱が五つ並んでいた。それらを見たヨシユキは言った。
「何か、面白そうだね」
そう言って、彼は真っ先に一番左のボックスに入った。10秒後、その中からヨシユキの叫び声がした。
「うわ、すっげ〜!」
彼は、両手にあふれそうな量のキャンディーを抱えて出てきた。
「このボックス、すごい。キャンディーが上から落ちてきた」
それを聞いたメンバーは驚いたり、半信半疑の表情を見せたり、それぞれの反応を示した。
次に、トシロウが左から2番目のボックスに入った。10秒後、彼は叫び声を上げた。あわててボックスから出た彼は、頭のてっぺんから足の先まで一味唐辛子がかかっていた。そのうえ、彼は何やら目をつぶり、顔を押さえている。
「いてててて…何だアレ」
スズコがぷっと吹き出し、くすくす笑い出した。
「スズちゃん、笑うなっ!チクショー…」
それから、トモアキが中央のボックスに入った。20秒後、ボックスの中から何か鈍い音がしたかと思うと、彼の叫び声が聞こえた。彼は、頭に大きめのたんこぶを付けて出てきた。
「ってえ…何で、何でたらい…」
今度は、ヒロシが右から2番目のボックスに入った。10秒後、ボックスの中で彼は絶叫し、ドアを乱暴に開けて出てきた。
「おい、何だありゃあ!上からカエルだのトカゲだのが何匹も…!」
スギヒロが鼻でふんと笑って言った。
「ハハ、おまえにも怖ェもんがあるのか」
すると、ヒロシは半ギレで言った。
「は?じゃあおまえ入ってみろよ。半端じゃねえぞ、あの中」
何も言わずに、スギヒロは一番右のボックスに入っていった。
30秒後、彼の絶叫がボックス内にこだました。外にいたメンバーは、何事かと彼の入ったボックスのドアを凝視した。その直後、スギヒロが太ももの裏を押さえながら出てきた。
「はぁ、はぁ、何だアレ。しばらく座ってたら下からビリッと来やがった!」
彼の予想外のリアクションに、スズコはおろか、ほかのメンバーは大爆笑した。
以上、ナンセンス極まりない世界にお付き合いいただき、ありがとうございましたm(_ _)m
― Fin ―