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藍城 舞美
藍城 舞美
novelistID. 58207
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スイーツ大会

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 今日は、ヒロシんちでスイーツ大会。テーブルの上には、ダージリンティーの入ったティーカップが七杯と、七つのシュークリームが載ったお皿が1枚ある。そこに集まった7人が、それぞれにシュークリームを手に取った。

 まず、ヨシユキがシュークリームを丸ごと口にした。食べながら、彼は言った。
「うまい」


 次に、スギヒロがシュークリームを一口かじった。中身は、とろ〜りとした濃厚なカスタードクリームと生クリームである。彼は口を閉じたまま、左手の親指を立てた。


それから、マイミがシュークリームを半分ほど口にした。その直後、彼女は幸せそうな顔をして、口に右手を当てた。
「んふ」


今度は、ヒロシがシュークリームを一口かじった。彼は目を閉じて、その甘みをじっくりと味わっている。もう一口食べると、彼は無言でうなずいた。
「うめェな」


 その次に、スズコがシュークリームを口にした。ゆっくりかんで濃厚な甘みを味わうと、笑みを見せた。
「これ、おいしい♪」


 そして、ゲンが食べる順番が来た。彼は律儀にも、
「いただきます」
 と挨拶をすると、シュークリームを丸ごと1個口に入れた。10回ほど噛むと、
「甘くて本当においしいッスね」
 と一言。


 最後がトモアキの番であった。彼がシュークリームを3分の1ほど口に入れて噛むと、彼の顔つきが変になった。
「…!」
 トモアキはシュークリームを手に持ったまま、仰向けに転倒した。
「ひいぃぃ…」
 彼の目には涙がたまっていた。男性陣は大笑い。
「何で俺ばっかり…」
 トモアキは敗北感たっぷりに言うと、急いでダージリンティーを口に流し込んだ。

 そんな彼を見かねたスズコは、彼のそばに来ると、優しく言った。
「泣くのはやめて。私のを分けてあげるわ」
 トモアキは泣きやむと、言った。
「え、いいの、スーちゃん?」
「もちろんよ」
 彼はどんなに喜んだことか!
「うおお、ありがとう!おまえ、いいやつだ〜」


 そんな2人を、ヒロシは嫉妬の目で見つめた。
(トモアキ、うらやましいぜ…)
 そのとき、マイミがおもむろに彼に近寄り、こう言った。
「ひーちゃん、私のを分けてあげるから、そんな顔しないで」
 その言葉を聞いたヒロシは一転、有頂天になった。
「うほほ〜い♪ありがとう、マイミちゃん!」
 マイミも笑うと、シュークリームの一部をちぎって、
「はい、あ〜ん」
 と、彼の口にシュークリームを持っていった。彼は、幸せそうにシュークリームを口に入れた。

 ふいにゲンが口を開いた。
「…僕らも、分けますか」

          ‐ Fin ‐
作品名:スイーツ大会 作家名:藍城 舞美