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男と女

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男性:「やっぱり違うもんだね」
友人:「何がさ」
男性:「男と女」
友人:「見ただけで、わかるジャン」
友人:「ま、ぱっと見には、分からない奴もいるけどさ」
男性:「いや、いや、」
男性:「外見的な、セールスポイントじゃなくってさ」
友人:「いやだねー、英語を混ぜてきたよ」
友人:「だから、どうしたってんだい」
男性:「この前、うちの女房と買い物に出かけたんだ」
男性:「まあ、なにを買おうってんじゃなくってね、」
男性:「久しぶりに、街歩きをしたんだ」
友人:「で、どうしたい」
男性:「ある、毛皮専門店に入ったんだが」
男性:「店員とも、親しいらしく、ちょいちょい来てる感じなんだな、これが」
友人:「それで」
男性:「色々な、毛皮があったんだよ」
友人:「そら、毛皮専門店だ、何でもあるだろうよ」
男性:「中でも、銀ギツネの襟巻なんて、頭や、尻尾、足までついてて、恐怖を覚えたよ」
男性:「可愛そうに、あんなに、内臓をごっそり取られて、恨めしそうに見ているものを」
男性:「よく、平気で首に巻きつけられるもんだね女は、はかり知れないよ」
男性:「そのくせ、この前、近くの山を、二人で山歩きしてたら、わき道から、ヒョロッと小さな蛇が出て来た時の、あの、ありったけの悲鳴はなんだい」
男性:「可愛い蛇じゃないか」
男性:「俺は、銀ギツネの襟巻のほうが、よっぽど怖いぜ」
男性:「それに、女房の財布は、縁起がいいからって、蛇皮だぜ」
男性:「生きて動いてるのは、だめだけど、死んで皮になったのは、いいのかいって話だよ」
友人:「ああ、そういえば、うちのかみさんも、小さなヤモリが、出たってだけで、家じゅう、ひっくり返して、追っかけまわしていたな」
男性:「そうだろう、全ての生き物には、生活するための、テリトリーが必要なんだ、多少重なったぐらいで、ヒステリックになる事は、ないんだよ」
友人:「お、またまた、英語かい」
男性:「それに、うちの女房には、もう、縁のない話なんだけど」
友人:「なんだい」
男性:「最近の独身女性は、エステに行って、永久脱毛してるって話じゃないか」
友人:「ああ、うちの娘も通ってるみたいだな」
男性:「脱毛に、生きがいを感じるって訳か、男は、脱毛に、生きがいを無くすのにな」
友人:「うーん、そうだね」と言って顔を上げようとすると
男性:「上を見るんじゃないよ」と言いながら、薄くなった自分の頭を、さすっていたのであった。

作品名:男と女 作家名:森 明彦