小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
月とコンビニ
月とコンビニ
novelistID. 53800
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

君が殺される物語

INDEX|1ページ/1ページ|

 
君が殺される物語
【著】鶴城松之介


「お、おい、やめろよ……やめろよ何なんだよそれはぁっ!」
 目の前の男に腹を幾度となく刺される。
「ぐぶぅ……うぶっ、ばびゃっ」
 二人の間に何があったのか、強い憎しみでもなければこんなに何度も刺されるものだろうか。その場に力なく崩れ落ちる少年には理由がわかっていたのかはわからない。真っ赤な溜まりだけが動いていた。
 少年を殺した男は通行人に紛れ込んでいく。
「一昨日未明に発見された少女の遺体ですが、地元の高校2年生、赤木美香さんと判明しました。なお犯人は以前消息不明となっております。次のニュースです」
 街頭ビジョンにニュースが流れていた。
「…………」
 人の流れの中に一人、少年が大型ビジョンを見上げている。今のニュースに関係があるのか、歯をキツく食いしばって見ているようだ。
「お~い、りっく~ん、なに突っ立ってんだよー、行くぞー」
 制服をはだけた少年が手を降って呼んだ。
「おー、今行くー」
りっくんと呼ばれた少年は駆け寄っていく。食いしばっていた歯は開いて笑顔である。
「こないだ見つけた店いこーぜ、ケーキ好きな男が少なくてさぁ。りっくんいてくれてマジ助かるわ」
「一人で行くのはキツイもんね」
 放課後ケーキを楽しむ男子二人。「珈琲喫茶‐ミラクル銀三‐」のケーキが最高だという噂を聞きつけ、お気に入りの店となっていた。
 通行人の一人が二人と同じ道を歩いて行く。
「たーやん、実はあそこケーキ屋じゃないって知ってた?」
「は? うっそぉ、じゃ何屋なんあそこー」
「喫茶店らしいよ」
「たしかに!! 珈琲喫茶って書いてあったね!」
 ケーキの美味さにケーキ屋として覚えられてしまったミラクル銀三だが、無理もない。ケーキの種類は数十種類と、並のケーキ屋よりも豊富だからだ。
 ケーキ屋、いや、珈琲喫茶‐ミラクル銀三‐の入り口に男が一人、少年二人を見ている。
「うっしゃーー、とうちゃーーーく! 今日どれにする!?」
 抜群の笑顔で店の扉を開く焚積(たきづみ)は理(り)智(ち)が付いて来ていないことに気がついた。その後ろで理智は店先に立っていた男と話しているようだ。
「どしたん、りっくん」
「よくわからない。この人がさ」
 言った瞬間、男は理智の首根っこを掴み人気のない所に引っ張っていく。
「おいっ! なんだあんた! りっく、ぐうぅっ……」
 理智を取り戻そうとした焚積は男に蹴り飛ばされた。焚積の身体は宙に浮き背中から落下していく。理智は首が絞まっているようで声が出せずに引っ張られていっている。
「待てよ……」
焚積は立てない。芋虫のように這いつくばって少しづつ進むだけだ。男は焚積からは見えなくなった。
理智は拘束を解かれ、地面に転がされた。男の目は何を考えているのかわからない、どこを見ているのかもわからない無である。理智は――殺される――。そう思った。
「なんだよあんた……誰だよ……美香の、美香の事件のやつか?」
 さっきのニュースで判明した被害者の名前「美香」彼女は理智の幼馴染であった。だから、その犯人の可能性のある目の前の男に怒りを抱いている。
「や、め、ろ、よ!!」
 焚積が後ろから男の背中を蹴り飛ばしてきた。動けるようになりはしたが、力を振り絞っている。男は頭から前に滑り込まされた。
「たーやん、ありがとう。でも逃げて」
「ほら、手掴んで!」
 焚積は理智に手を伸ばして引っ張ろうとする。しかし理智はその手を取らない。美香の敵でも取ろうとしているのだろうか。
「僕はこの人に聞きたいことがある」
「りっくん! こいつはマジでヤバイって! いこう!」
「おまえ、一昨日女の子に会ったか!? あのニュースのやつはおまえか!?」
 理智はすごい剣幕でまくし立てた。焚積はしかたなく無理やり理智を引っ張りあげると思いっきり走り出す。
「美香をやったのかぁ!!!」
理智の叫び声が遠のいていく。

「おまえはずっと私を見ているな。すべてを見ていたろう?」
 男が起き上がると、こっちに向かってきた。右手には今まで同様サバイバルナイフ。目の前に、立っている。私に向かって振りかぶる。

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■



作品名:君が殺される物語 作家名:月とコンビニ