キミに贈るよ
日暮れの散歩道。そして見たんだ。
U字側溝の蓋の上をゆるりと歩く猫…… チャトラのデブ猫
満足げなその顔と 町を知り尽くしたような堂々とした歩きがふてぶてしい
そのネコちゃん…… 脇腹に集まった茶色の体毛が 歩くたびに星形の模様に見える
「なにみてんだよぉ… カリカリもらって気分がいいんだ」
「なんでこっちに来るんだよ。ビビってるんじゃねぇからな」
「にらみ合いなら負けねえが ほかっておいてくれよ」
蓋のない側溝にひらりと降りて裏通りへと消えた
――キミに贈るよこの言葉――
『気取ったロンリネス』だね!