詩を作りましょう・:゚*☆【拾漆】
浪漫
満月の夜
きみをこの手でつかまえて
鳥かごに閉じ込めた
その日から
きみは日に日にやせ細り
満天の星を見上げては
小さなため息つくようになった
十五夜を過ぎて
きみが消えてなくなりそうで
そっとかごの扉を開けて
きみに別れを告げたんだ
天女の羽衣を纏うがごとくに
妖艶な輝きを放ちながら
きみは静かに天に還っていった
月は
夜ごと
その姿を変えながら
誘う浪漫をかきたてる
せつなさに
流した涙のたまり水に
微笑むきみが浮かんでる
今わかった
秘めた想いこそが
美しいのだと
届かぬ想いだからこそ
こんなにも愛しいのだと
下弦のきみが
すこし笑ったようにみえた
。+゚よくみてご覧なさいな
毎夜あたしはあなたに抱かれているでしょう.。.:*・゜
満たされていく月を
こころに映し出すぼくは
愛することの悦びを
はじめて知ったような気がする
作品名:詩を作りましょう・:゚*☆【拾漆】 作家名:遊花