詩④
努力もしないで生きてきた
偉人のように何かも成し遂げず
歩いた足跡は消えるようだった
振り返れば何もなく 誰もいない
上も下も 右も左も
声を出しても 静寂に負ける
どこに立っているのかさえ…
僕が今 毒りんごを齧っても
小人はやってこないだろう
1人で血吐き蹲るばかりだ
そしてひっそりと死を迎える
けれど僕には 恋人がいた
けれど彼は 気付かないだろう
何故なら 所詮は他人だから
訃報を知らせる発信者がいない
ぱたりと途切れたLINEも
彼は気付かないだろう
私は端から期待しない
その程度の愛だから