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ワタリドリ
ワタリドリ
novelistID. 54908
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それでも太陽は赤く染まる!第16回「土曜日の朝!」

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「でも、てんかんとかの精神疾患て判定がすごく難しいらしくてさ、なかなか手帳さえももらえなくて苦労してる人、うわさでも病院内でちょくちょく耳にするわ。(-_-)あたしは小さい頃から度々病院に通院して薬とかもらったりして結構恵まれている立場だったけどさ・・・。それでも薬が合わなくて何度もあの世に行かされかけた事もあったりして生きてきたってゆうか・・・。結局なんか国のお荷物って言われてるみたいで正直いい気分はしなかったな、あんまり。まあ、ひとしたちのその医療制度もなにかしらの税金で成り立ってるんだろうからどっちもどっちって感じだけどさ・・・ちょっと!聞いてる?\(゚□゚)/!」

ひとし、ついにトイレの限界がきたのかさけぶようにガンガンと地団駄を踏んで・・・。

ひとし
「うん!聞いてるよちゃんと~!\(`〇´)/どうでもいいからはやくしてよねもう!本当これだから朝お姉ちゃんに起こされるの嫌なんだよ!いっつも人の事考えないでもたもた洗面所の中立てこもってさあ~!あげくに無駄話しまで持ち掛けたりして、たいがいにして欲しいよマジで。膀胱破裂しちゃうじゃんかあ~!\(⊳〇⊲)/」

美穂、ひとしの態度に怒ったように途中やりのパーマで、まるでにわとりのとさかのような頭でドアから顔をのぞかせて・・・。

美穂
「何よ!(⊳Д⊲)怒んなくたっていいでしょ!トイレ行きたいんだったらさっさと勝手に入ればいいじゃないの!たかが、ちびりそうなぐらいでガタガタ大げさにわめいたりなんかして男らしくもない!それに、どうせ着替えのついでなんだし漏らしたってパンツの替えくらい、いくらでもあるでしょうが!(#⊳Д⊲)」

ひとし
「はあ~!\(⊳〇⊲)/なんで僕がお姉ちゃんの犠牲で、そんな恥ずかしい思いしなくちゃならないんだよ~!しょうもない事で手間ひまかけてるだけのくせしてさあ!だれも見たくないよ!そんな自己中でセットした顔や頭なんか!ったく、ちびっちゃえなんて発作持ちのお姉ちゃんと一緒にしな・・・。」

急に何かを思いとどまるかのように表情が変わったひとし・・・。

どうやら姉が、小さい頃発作がひどかった時そのたびに痙攣と一緒におしっこを漏らして周りからからかわれていた事をふいに思い出したようだ。

美穂、またマイペースに戻りパーマがけが終わった髪をくしでとぎながらイライラ顔で洗面所から出てきて・・・。

美穂
「何よ!あたしの発作が何だってのよ!関係ないでしょ今そんな話!(#⊳Д⊲)」

その顔にはこれ以上文句を言ったらしめあげるぞとばかりの鋭い視線をしていた。

変に罪悪感を感じてしまってか、それにこのまま美穂をさらに逆上させてしまうのもらちがあかないとも思ったのか、いずれにしても今はそんなことより爆発すんぜんのこの膀胱の状況をなんとかしたいのが必死だったひとしはまずは自分の身の安全をと、のどまで危うく出しかかっていた続きの「てんかん発作持ちのしょんべんちびり女が」という鬼畜発言的な言葉をぎりぎりで飲み込むように消去した。

ひとし
「もうどうだっていいよ、お姉ちゃん部屋中パーマ臭いよ!(-_-)」

ひとしはなんだか大人になったな~僕も。と、ひとり自己満足で冷静に深呼吸をするとソファーから立ち上がり速足で美穂の出てきた洗面所へと向かっていった。

・・・がその時いきなりイライラ顔だった美穂が突然何かに取り乱したように声が甲高く裏返って・・・

美穂
「ちょ、ちょっと!ひとし~!?\(☆Д☆)/!?」

姉のその異常な反応にとっさにうん?とつられるように無表情で振り向いたひとしは思わずその光景に目の前が真っ白になった。

オーブントースターの中では不気味なタイマー音と共にメラメラと炎に包まれるように燃え上がっている二枚の食パンが熱い熱いと悲鳴を上げていた。

ひとし
「わあ~!?Σ(゚Д゚)」

ひとし、とたんに尿意もモヤモヤの感情もどこかにぶっ飛んだように、目を見開いて急いでタイマーを止めようと走り出した。

が・・・ひとしの行動も虚しく次の瞬間・・・。「ボオーーーン!」とねじが弾けたような低い爆発音と共にトースターの中から熱い熱気の黒けむりがふき出した。

パンの焦げた炭のような独特な香りの塊が一瞬室内を散るように包み込んで、そして消えた。!(゚□゚)(゚〇゚)!

その光景をしばらくまるで魂を抜かれたように呆然と眺めていたひとしたちだったが、やがて「シューーーッ!」と何事もなかったかのようにトースターの湯煙りとほぼ同時に「チーーーン!」と金属系のタイマー音が切れ、部屋中が静まり返って行った。

そしていつのまにかついていたテレビがCМにかわり無音の室内に語りかけるようにわびしい声が響き渡った。

テレビⅭⅯ
「家電製品フェニックスより販売されている小型オーブントースターからの引火爆発による事故がおととい発生いたしました。いつもお買い上げいただいておられる皆様には大変深くお詫び申し上げます。被害が拡大しないうちに早急に商品の回収を心掛けております。お心当たりのあられるお方はただちにご使用を中止して・・・。」