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のび太のBIOHAZARD カテゴリーFの改造版 2

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第六話 見出だした希望


「い、今のは一体……?」

 聞こえてきた音を聞いたのび太の身体は強ばり、無意識にハンドガンを握る力も強くなった。

「風の音、ではないみたいですね……」
「できればそうであってほしいけど、絶対違うわね。どう聞いても化け物の雄叫びだわ」
「東のほうから聞こえてきましたし、知子ちゃんが言っていた体育館の大きな化け物で間違いないでしょう」

 そう話しながら、聖奈と咲夜もハンドガンのグリップをきつく握りしめる。やはり声の主は二人の友人を死に至らしめた巨大な化け物で決まりだろう。

「その化け物をこのまま放置しておくわけにはいかないわね。早速体育館に行きましょ」
「そうですね。危険は大きいでしょうけど、学校内の安全を確保するためにはやるしかないですね。のび太君、探索は一旦打ち切りますがよろしいですか?」
「僕は構いませんが……二人とも、もう大丈夫なんですか?」

 のび太は体育館にいるであろう巨大な化け物を討伐するという二人のプランに賛成はしたが、やはりまだ二人のメンタル面が心配であった。二人とも友人の死を目の当たりにしたのだ。その精神的ショックは相当なものだろう。

「大丈夫、と言えば嘘になりますが、今はみんなで生き延びるためにやるべきことをやるだけです」
「悲しむのは後にすることにしたの。それに、私たちを頼ってってさっき言ったでしょ。だから気遣いは無用よ」

 だが、彼女たちの心はのび太が思っている以上にタフであり、二人とも感情の制御はできていた。

「……わかりました。体育館に行きましょう。でも、軽く探索もしていきましょう。たぶん、その化け物はかなり厄介です。少しでも装備を整えてから戦ったほうがいいと思います」

 のび太も二人を信頼し、三人で体育館へ行くことを承諾した。ただし、探索は打ち切らないという条件付きで。今のままの装備で戦っても、まだ見ぬ化け物には太刀打ちできないであろうことを、のび太は感じ取っていた。これは、ドラえもんたちとの数々の冒険で培われた、経験測から来る勘であった。

「確かに、今の私たちの装備では心許ないかもしれませんね」
「なら、少しでも役に立ちそうなものを集めてから戦うのが賢明ね。じゃあ、早速ここから始めましょ」
「「はい」」

 二人ものび太の案に従うことにし、三人は早速今いる調理室の探索を開始した。

「包丁か……油断さえしなければゾンビ相手ならこれで戦えるかな」

 のび太はシンクの下の収納スペースを開けると、その中にいくつかの出刃包丁があった。体育館の化け物と戦うまでの道中には、まだまだゾンビがうろついているはずだ。ハンドガンの弾を巨大化け物用に温存するために、ゾンビはこのようなもので倒していくほうがいいだろう。

「このフライパンは使えそうですね」

 聖奈がコンロの上に置いてあった大きめのフライパンを手にとった。小学生の彼女には結構重かったが、その質量はそのまま攻撃力へと転じる。ゾンビへの攻撃手段としては十分だろう。

「これも使えそうね」

 咲夜が部屋の角のほうで見つけたのは消火器だ。大量の消化剤を敵の視界を遮るための煙幕として使えば、戦いを有利に運ぶことができるだろう。

「咲夜さん、その消火器は僕が持ちます」
「えぇ、お願いするわ」

 のび太が四次元カバンの口を開け、その中に消火器を入れる。このカバンが無ければ消火器や灯油が入ったポリタンクのような重たいものを運ぶのは一苦労だったであろう。のび太はこのカバンを用意してくれたドラえもんに、心の中で感謝した。

「……役に立ちそうなものはこれくらいかな。次に行きましょう」

 目ぼしいものを回収し終え、のび太たちは廊下へと出た。

「ウゥゥゥ……」
「アァァァ……」

 その行く手に二体のゾンビが立ちふさがった。のび太は手に入れたばかりの包丁を両手で握りしめ、ゾンビに向かう。
 だが、聖奈と咲夜がのび太よりも早く動いた。二人はのび太の脇を駆け抜け、一気にゾンビとの距離を詰め……。

「えいっ!」
「たぁっ!」

 聖奈はフライパンをテニスのスマッシュの要領でゾンビの脳天に叩きつけ、咲夜はサマーソルトキックでゾンビの顎を蹴り上げた。聖奈のスマッシュを食らったゾンビは頭部を、咲夜の蹴りを食らったゾンビは顎の骨と首の骨を破壊され、完全に活動を停止した。

(ピンクと水色か……)

 この時、のび太は思いもよらぬ幸運に遭遇していた。聖奈と咲夜のスカートが攻撃の拍子にひらりと舞い、中の下着が見えたのだ。ほんの一瞬の間での出来事であったが、その光景はしっかりとのび太の脳裏に焼き付いていた。

「ふぅ、銃が無くても案外戦えるわね……あら? どうしたの? のび太君」
「……!」

 様子がおかしいことに気づいた咲夜が声をかけてきたところで、のび太はハッと我に返った。

「あっ、いや、その……ふ、二人があまりにも凄かったのでお、思わず見惚れてしまいました」

 しどろもどろになりながらも、何とかごまかすのび太。校長室で彼女たちの下着姿を見てしまったときはビンタ一発で許してもらえたが、さすがに二度目は無いだろう。

「「えっ……」」

 のび太の口から出た口説き文句ともとれるような発言に、聖奈と咲夜は思わず頬を染めた。

「いやぁ~僕の出る幕無かったなぁ~。僕はケンカとか弱いから強い人って憧れちゃうなぁ~」

 自らのやましい心を悟られぬように、さらに二人をヨイショするのび太。

「そんな、私はただ必死だっただけですよ」

 気になってきた男子に憧れるとまで言われて、聖奈は内心嬉しかったが、その気持ちは表には出さなかった。

「またまたぁ、ご謙遜を。本当はのび太君に褒められて嬉しいくせにぃ」
「さっ、咲夜ッ!?」

 しかし、親友にはその気持ちは筒抜けであった。咲夜はニヤニヤしながら聖奈の耳元で囁き、彼女をからかう。

「聖奈さん、どうかしましたか?」
「なっ、なんでもありません。それより先を急ぎましょう」
「はっ、はい(何とか誤魔化せたな……)」

 その訝しんだのび太が声をかけてきたが、聖奈は話題を逸らして何とか誤魔化すことができた。のび太のほうもやらかしたことがバレずに済んで安堵する。
 そして、三人は次なる場所へと向け移動を始めた。