レイドリフト・ドラゴンメイド 第31話 魔王と賢者の食彩
ドラゴンメイドの結論は以上だ。
だが、それを言うことに価値はない。
急いで、レイドリフト1号へ連絡しなくては。
「1号! 例のビルの最高責任者から、重要な証言が得られました。
今すぐ、あの黒いビルをスーパーディスパイズとメタトロンで捕獲してください!
相手は、複数の異能力を使えるということです。気をつけて! 」
だが、1号からの返信が希望を打ち砕いた。
『ただいま全方位多数の敵に対応するため、スーパーディスパイズは分離中です』
身長1200メートルの巨人が、メタトロンの星空に包まれ、ふわりと浮かぶ。
得体の知れないエネルギーの中で、得体のしれない金属の集合体がうごめく。
その衝撃は、達美専用車の10.4トンなど簡単に揺るがした。
その時、一発の砲弾が黒いビルを直撃した!
壁面がはじけ飛び、中にいる異星人や三種族も吹き飛ぶ!
と思われた。
「!? ねえ。最終防壁には人間は入れられてないの? 」
ドラゴンメイドが聴いた。
「いません。いませ。ンいません――」
否定の言葉を繰り返す主任書記長。
「それって、おかしくない? 」
ドラゴンメイドが割れ目に見た物は、背すじを寒くさせる怪奇な物だった。
「なんで、人間そっくりの目がビルから出てくるのよ! 」
白目の中に透き通るような青い瞳。
だがその大きさが異常だ。
到底、ビルの中に納まるとは思えない、巨大な怪物にふさわしい目。
その目が周囲を、ギョロリと見まわした。
作品名:レイドリフト・ドラゴンメイド 第31話 魔王と賢者の食彩 作家名:リューガ