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目が怖い

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東南アジアのとある国にある、老後を穏やかに過ごしたい高齢日本人のとある集落。
 ニューカマーだったA氏もだんだんとそこに馴染んで、友人と呼べるようになってきたB氏と、ようやく突っ込んだ話をできるようになった。
「Bさん、私は前々から聞きたかったのですが、あのCさんというかたはどういう経歴をお持ちなのでしょうか? ニコニコしながら犬を散歩するかたですが、目が怖いような気がするんです」
「……Aさん、あなたは勘が鋭いです。ここだけの話ですが、実はCさんは昔窃盗の常習犯で、ここに来るのもやっとのことで認めてもらえたんだそうです」
「そうだったんですか……」
「Cさんは貧乏な母子家庭の育ちで、食べるのにも困ることがあったそうです。まあ、窃盗と言っても今は昔のことなのでご安心下さい。もう何も盗りませんよ」
 ……A氏は納得し、次の疑問をB氏にぶつけた。
「ではBさん、私は前々から聞きたかったのですが、あのDさんというかたはどういう経歴をお持ちなのでしょうか? ニコニコしながらサトウキビジュースを飲むかたですが、目がとても怖いような気がするんです」
「……Aさん、あなたは勘が鋭いです。ここだけの話ですが、実はDさんはフランス外人部隊に長くいて、私たちが想像もできないような残酷な実戦をかいくぐってきたらしいです」
「そうだったんですか!」
「Dさんは子供の頃ひどいいじめに遭って、そこから格闘技や軍事に関心を持ったのだそうです。まあ、フランス外人部隊と言っても今は昔のことなのでご安心下さい。もう誰の命も取りませんよ」
 ……A氏は納得し、次の疑問をB氏にぶつけた。
「ではBさん、私は前々から聞きたかったのですが、あのEさんというかたは、いったいどういう経歴をお持ちなのでしょうか? CさんやDさんよりも目が怖いのですが、あのかたはどんな底知れぬ満たされなさを抱えてきたのでしょうか」
「ああ、あの人はただの、いつもアイデアに困っている趣味の作家です」

【完】
作品名:目が怖い 作家名:Dewdrop