呼び立て
「その方が、台十久寺の一九か?」
上段の時貞の問い掛けに、平伏していた僧侶が答えました。
「左様で御座います」
「呼び立てして、済まぬな」
「滅相も御座いません」
「面をあげよ」
頭を上げた一九の目を、時貞が見ます。
「当家の者が、無理難題を言って その方を煩わせたようだな」
「御酒が、過ぎていた様で…」
「屏風に描かれた虎が悪さをするから退治せよと、戯けた事を言ったとか」
「虎を屏風から追い出して頂ければ、退治出来たのですが…」
一九の言葉に、時貞の表情が、微妙に変化します。
「…屏風から虎が出ていたら……退治出来たと申すのか?」
「はい」
「そうか。。。」
上段の時貞の問い掛けに、平伏していた僧侶が答えました。
「左様で御座います」
「呼び立てして、済まぬな」
「滅相も御座いません」
「面をあげよ」
頭を上げた一九の目を、時貞が見ます。
「当家の者が、無理難題を言って その方を煩わせたようだな」
「御酒が、過ぎていた様で…」
「屏風に描かれた虎が悪さをするから退治せよと、戯けた事を言ったとか」
「虎を屏風から追い出して頂ければ、退治出来たのですが…」
一九の言葉に、時貞の表情が、微妙に変化します。
「…屏風から虎が出ていたら……退治出来たと申すのか?」
「はい」
「そうか。。。」