同じシナリオ
2人は、現在、密着し合っているのだが、それは、女が弁護士を包丁で刺しているからである。
「アタシと一緒に死んで・・・」
女はそう告げ、男は成すがまま、その場に倒れるのである。
倒れた男は、小さな声で「なんでや~」と言う。
女は、刺した包丁を抜き。それから自殺を図ろうとしていた。
「これで全部終わらす・・・」
涙を流し絶望した表情をかもし出した女は、急に青ざめた。
「あああああああ」
奇声に似た悲鳴であるが、この時、女は大きな過ちを犯した事に気づいたのである。
それは・・・
刺す人を間違えたのである。
☆
~ベットの上にて~
「痛い!」
という感覚で目を覚ました男。
男は周囲を見渡し、ここが病院である事を悟る。
自分に何が起きたのかか・・・
考える余地もなく直ぐに理解した。
男のわき腹に激痛が走るのである。
男は思い出した。何もかもを・・・
と、そこへ男を刺したであろう、あの女がやってきた。
「ごめんなさい。間違って刺してしまいましたm(_ _)m」
「ごめんなさいだと? そんなんじゃ俺様の気はおさまらねえ! やらせろ!」
と、言わんばかりの表情で、男は女に詰め寄った。
しかし、だからといって、男は女に詰め寄れない。
男は、全治6週間のケガなのでベットから這い上がる事等できないからだ。
女は、安全な位置から謝罪をしている。
男は、この女が安全な場所から動こうとしない事に誠意の無さを感じたのか、それともただ、怒り狂ってるだけなのか、とにもかくにも高額な慰謝料の請求をし始めたのである。
「こら! てめえ! 俺は弁護士様だぞ! 偉いんだぞ! これから凄い裁判を控えていたのに、よくもこんな体にしてくれたな、このメスブタが!! 慰謝料払えないのなら、体で払ってもらうぞ!!」
被害妄想を用いて傍から見るとこんな感じなのかもしれないが、それは読者の主観が入るので真実は判らない。
ともかく、この男の、あまりの剣幕ぶりに、病院の医者、看護婦も一同圧倒されて萎縮してしまった。
女も同様に萎縮してしまって、つい、男の詐欺とも言える高額な慰謝料請求に応じてしまったのであった。
☆
日々が経過したある日、男は、何事も無い様に日々を過ごしていた。
そりゃそうです。 男にとっては、数ある一つの仕事を失っただけなのですから、時が解決してくれるというものです。
そんな日々の中で、流石に、か弱い女から不当利得を得てしまっている事に罪悪を感じている自分に気付いたのでしょうか・・・
男は、あまりの高額な慰謝料を支払い続ける女が、本当に、売りでもやって金を稼いでいるのではないかという疑問を持ってしまいました。
そして案の定、その予測は当たってしまいました。
女は、風俗店で働いていたのでした。
「あちゃーーーーーー!!」という安易なリアクションをこの男が取ったかどうかは判りません。
ただ、文章上、この安易な流れにした方が面白いという読者意見がありそうなのでこうしました。
実際は、もしかしたら、シリアスに男は、罪の意識を感じていたかもしれません。
きっとそうです。
だからこそ、男は、彼女の事を気に掛けて、ストーカーの様に身辺調査をしたのです。 その過程で、彼女が勤めている風俗店が、実は違法な闇風俗店という事が判ってしまいました。
闇風俗店=暴力団=レイプ強姦監禁暴力
と、男の思考は、爆発してしまったのでしょうか?
それとも愛しき彼女を助け出す為か?、いずれにせよ、男は彼女の為になる行動を起こしました。
が・・・
時既に遅し・・・
女は、暴力団にさらわれていたのです。
男は絶望しました。
何に絶望したのか判りません。
女とヤレル機会を失ったからか? それとも女とヤレル機会を失ってしまったからか?
すみません。いま、同じ文章が2回続きましたねw
つい、作者の感情が入ってしまった様で、今度から気を付けたいと思いますm(_ _)m
とまあ、そんなこんなで男は頑張り続けましたとさ、、めでたしめでたし・・・
~後書き~
実は、彼女が主人公を間違えて刺してしまった原因は、自分の恋人と顔がソックリであったからです。
安易な展開でゴメンなさい。