詩集
修行
昔の人は
悪いことをしないようにと
あの世には天国と地獄があると語った
本当は地獄なんてないけど
悪事をすると怖い目に遭うと
抑止力として地獄を語った
本当は天国も地獄もなく
人は生まれ変わりを
繰り返すのが修行
何回繰り返すかなんてわからなくて
修行が終わって
もう生まれ変わらなくて良いようになったとき
生まれ変わる為に
待機している場から離れて
八百万の神になる
繰り返しの途中で
今の世から逃げたいと
自死を選ぶことだけは許されなくて
それは修行の途中で離脱することだから
生まれ変わることも出来ずに
自死するという同じ恐怖を繰り返す
だから自死してはいけない
でも病気の症状の1つとしてのことならば
きっと病死として
女にだまされた男が
今度は女に生まれ変わって男をだますと思っても
前世の記憶は残らないから無理なこと
ほんの数年という
短い時間だけのこの世であっても
その修行は1回
何回生まれ変わって
修行を繰り返すのかは
その人によって違うから
ただただ
八百万の神に認められる修行を繰り返して
もう生まれ変わる必要の無い人になるまで