それでも太陽は赤く染まる!第9回「堪忍袋の緒が切れる!」
担任の山岡に勉強の事で屈辱を受けて泣きべそ状態で、ひとしは学校からまっすぐ、すぐ隣にある市営の住宅に帰宅をすると台所では専業主婦の母、絹代(49)が昼ドラを観ながらソファーで腰かけてのんびりとのりせんべいをつまんでいた。
(絹代、音もなく恨めしそうな視線で入ってきたひとしにきずいて・・・。)
絹代
「びっくりしたね~。おまえ遅かったじゃん、始業式終わったらすぐ帰ってくると思って買い物たのもうと思ってたのに。ほら、今から行ってきてよ。12時までのタイムサービス、500円以上で卵10個入りが1パック98円で買えるから、走っていかないとないかもしれないわよ。」
(ひとし、空気を読まずに自分勝手にしゃべり続ける絹代に憤りを感じ、さらに恨めしい視線でにらみつける。)
絹代
「なんなのおまえ?中学は隣で恵まれてるんだからはやく帰ってきなさいよもう。どうせ友達いないんだから。付き合う相手もいないでしょ。友達オーラには恵まれていないんだし。」
(さすがにその鈍感さにひとしの心に火がつくと・・・。)
ひとし
「頭脳や勉強やスポーツにも恵まれてないよ。母さんが僕がお腹にいる時、間食ばっかりして栄養なものなにも取らなかったから。(# ゚Д゚)」
(絹代、ムッと負け時と言い返して)
絹代
「何言ってんの。たわけなのは、おまえが勉強しないからでしょ。母さんが何回がなっても。(# ゚Д゚)一日中部屋で魚ばかり眺めてて。魚が勉強教えてくれるのならまだしも。と、今はそれよりもはやく卵買って来いっていってんの。売り切れてたら承知しないよ。」
(怒りながら目に涙を浮かべるひとし)
ひとし
「新任の山岡先生にまで目え付けられちゃったよ。この前、母さんが僕がテスト隠して叱られて家出したこと学校に電話なんかしてくれたおかげで、先生たちにも変なうわさが広まっちゃたんじゃんか。」
絹代
「やだあ~。お前の新しい担任、山岡先生なの~。\(◎o◎)/!お姉ちゃんの時からずっとおる先生やよ。おんなったらしで有名な・・・。よくもくびにもならずに、それとも学校側が上手くもみ消したのかしら・・・。」
ひとし
「知らないよそんな事。(# ゚Д゚)さっき勉強の事でねちねち言われたよ。お母さんたちに心配かけるなとか・・・。」
(絹代、その言葉に急に態度を改めるように・・・。)
絹代
「まあ、あの先生もだいぶ改心したのねえ。あの頃はセクハラの噂とかたえなくて、いつお姉ちゃんにまでちょっかい出してくるんじゃないかと母さんひやひやさせられたけど。それとも女性問題でこりごりしちゃって今度は男の方。そっち方面に走っちゃったのかも。ま、この際どっちでもいいわ、ひとしもあの先生にこれから1年間みっちり教えてもらいなさい。(*^_^*)」
(ひとし、ついに嫌気がさして)
ひとし
「ああああああ~~~~~。鬱になりそう。母さんも山岡もろくでなし。勉強しろなんて言う方は簡単でも覚えさせられる方はたまったもんじゃないんだよほんとに~。(# ゚Д゚)」
絹代
「馬鹿言ってんじゃないわよ。学生のうちは勉強するのが当たり前なの。母さんたちだってやってきたんだから、おまえが出来ないはずがあるか。(# ゚Д゚)早く卵買ってこい。この落ちこぼれが。親に恥をかかすな!」
(頭に血がのぼっていつのまにか我を忘れて男勝りな口調になってしまっている絹代。)
ひとし
「今日はもうどこにも行かない、エネルギー使い果たしたから部屋で横になる。昼ごはんもいらないから、どうせなにも作ってないでしょ。(-_-)」
(皮肉っぽく言い捨てるとひとしは勝ち誇ったように奥の自分の部屋へ向かう)
絹代
「おまえ今日そろばんやろ~。ごはん食わんでええで、ちゃんと行けよ!卵どうすんだあああ~~~。(# ゚Д゚)」
ひとし
「しつこいんだよ!( ゚Д゚#)」
ひとしは部屋に入ると力任せにふすまをバシッとしめた。
作品名:それでも太陽は赤く染まる!第9回「堪忍袋の緒が切れる!」 作家名:ワタリドリ