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でんでろ3
でんでろ3
novelistID. 23343
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真夜中の湖

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静かな夜。水面に映る月。心地よい風。

 

「月がきれいですね」

「……お前、意味分かって言ってんの?」

「ん?」

「いや、俺たち男同士だし……」

「はっはっはっ、軽い本気だよ」

「本気かよ?」

「いや、本気に決まってるだろ?」

「本当に本気かよ?」

「冗談だよ。冗談」

「今のご時世、シャレになんないよ!」

「……いや、思い出しちまってな」

「何を?」

「何年前かなぁ? 好きな娘と真夜中の湖に来たんだ」

「その時、さっきのセリフを……?」

「……言えなかった」

「ヘタレかよ?」

「まぁ、そう言うな」

「……まぁ、誘い出せただけでも、俺から見たら勇者だよ」

「楽しい夢だった」

「夢の中でもヘタレかよ?」

「……なぁ、思うんだ」

「何だ?」

「『リア充は爆発するので危険です』って、ネットで拡散したら、政府がリア充を駆逐……」

「しねーから!」

「やっぱり?」

「ああ」

「……なぁ、俺たち、ずっと、こうなのか?」

「……歳は取るだろ」

「ずっと友達だな」

「……すげぇ複雑な感情が芽生えたんだけど」

「『ずっ友』だな」

「氏ね」

 

 月が微笑んだように見えたのは気のせいか?
作品名:真夜中の湖 作家名:でんでろ3