カップ半分だけ…
「昨日の8杯一気飲みも信じられなかったけど…」
6日目、女性客が帰るや否や、店主が呟きました。
「あの細い体で、まさかコーヒーを16杯の飲み干すとは。。。」
驚き感心する店主に、ウェイトレスは尋ねます。
「で、どうします?」
何を聞かれているのか判らない店主は、ウェイトレスに聞き返しました。
「…どうするって、何を?」
「明日、あのお客さん注文するコーヒー、32杯なんですよ?」
「─ 初日に半分で、次の日は1杯、それから2杯、4杯、8杯と倍々で、今日が16杯だから、まあ…そういう事になるよねぇ」
「色々大変な事はありますけど…そもそも、一度に入れられます?」
「一気に32杯入れるなら…コーヒーサイフォンが、後2つは必要になるのか…」
暫く思案した店主は、電話に手を伸ばします。
「…知り合いに、借りられないか聞いてみる」