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『さよなら』から始めよう
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5
駐車場から離れた
アパート
ゆっくりと歩く先に
待ち侘びた幻が
佇んでいる
眼差しから消えてしまわぬよう
瞬きもせず
幻を視線に捕え
距離を縮める
「何やってんだ」
幻に話掛ければ
驚いた顔の徳子が
振り返り
唖然とした口を開け
「仕事は?」
ほら 以前と変わらぬ
君に戻る
『さよなら』から
始めよう
膨らんだ腹を摩り
徳子を抱き寄せれば
愛が伝わりますか
~END~
作品名:
『さよなら』から始めよう
作家名:
田村屋本舗