詩篇天竺浪人
シマフクロウのうた
北のみやまに冬がきて
見わたすがぎりまっ白けのけ
花もみどりも雪のした
生きものたちは夢のなか
朝は良かろが宵ともなれば
雪ぐれに暮れてミルク色
シャンシャンシャンシャン犬ぞり引いて
それでも人は通りゆく
カムイチカッポ コタンコロカムイ
カラフトマツの枝さきに
冬のコタンを見おろしながら
シマフクロウが鳴いたとさ
凍える息を吐いたとさ
ウォホウ、ホッホウ、寒かろな
白は無垢でも白魔のもりは
ウォホウ、ホッホウ、冷たかろうな
ハシカブの原のキタキツネ
今はふるえて夢のなか、夢のなか……