報われなさ過ぎて
経営する店へ
僕は
見栄えする
外見重視の女性を
連れてゆく
世間一般の
“いいオンナ”
幼馴染みが
喰いつく事を
知っているからだ
幼馴染みの
匠な話術で
笑う
“いいオンナ”
数時間経てば
貪欲なオンナは
幼馴染みの
甘辛い褒め言葉に
酔い崩れ
欲望のまま
経営者の妻の座を
夢描く
既婚者の幼馴染み
笑顔の冴えない
平凡な妻
店を手伝う妻が
“いいオンナ”と
フレンドリーに
振る舞い
物分り良い
善き妻を演じる
『 ごゆっくり』
妻の退店後
店看板を消す
幼馴染み
妻の愚痴を
軽く零せば
“いいオンナ”は
妻への過剰評価と
自己否定を語る
滲み出る
妖艶を武器に
略奪行為を挑む
あざとさが
あまりにも
露骨で
僕は役割を果たす
たった一言を
呟く
「料理 上手いよ」
幼馴染みの
驚きと賛美に
御満悦する
“いいオンナ”
タイミング良く
席を外せば
連絡先交換は
完了する
片っ端から
僕の連れを
喰いやがる
幼馴染み
それでも
いい
僕は
ただ
幼馴染みに
逢いたいだけ
報われなさ過ぎて
笑える
~END~