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novelistID. 61089
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友達

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僕は
僕を
好きでは
ありません


子供の頃から
劣等感しかなく


僕は僕を
嫌いでした


だから
友達も
僕の事を
好きではないと
想います


僕は
道徳に出てくる
『 独りぼっち』役で


友達は学習通り
『 仲間に誘う』役


仲間外れを
禁じた
教育ルール


友達の中に
含まれていても


輪の中に
いても


浮いている僕を
僕自身が
一番
気づいていました


友達は
優しい


とても
優しい


けれど
やっぱり
友達の中にいても
僕だけが浮いている気がし


一緒に笑っていても
辛くなりました


クラス替えのたび
仲間だった友達が
新たな友達を作り


また僕は
独りぼっち役から
始まる


繰り返し
繰り返し


今迄 仲間だった友達が
違う仲間の中にいる


僕には
その謎が
理解出来ませんでした


成長と共に
道徳も変わり


友達を選ぶ
教育ルール


僕は友達を選べる
能力が ありません


僕自身も
選ばれる人間では
ありません


友達を作る事は
困難を極めました


世渡り上手とは
友達渡り上手な方の
特権だと


僕は思いました


信頼出来る親友

唯一無二の友


僕にとって
最後に残された
希望の言葉


裏切りや嘘など
腐る程 経験したけれど


高校生になり
信頼し
唯一無二だと
思い込んでいた友から


吐き捨てられた言葉


「友達と恋人は違う」


僕は友として
重い存在なのだろうか


僕は
恋愛感情と
似て非なる
行動を取っているのだろか


違う

違う

そうではない


哀しくて
友に追い縋る僕自身が
とても惨めで


去る友から
眼を背けました


それから
怖くて
友達を作れません


僕は
独占欲の塊なのだろう


だから僕は
家に閉じ込める
一匹の猫を飼っている


友達は猫しか
いない


~END~
作品名:友達 作家名:田村屋本舗