まだ続けるの?
如月さんが 顔を顰めます。
「何で? 目標の数字まで、体重 落ちたんでしょ??」
唇を引き結ぶ睦月さん。
「─ 減量前に、会っていた知り合いがね…減量後の私を見ても、痩せたねって言ってくれなかったんだよね……」
「ああ」
「これって…私の痩せ方が まだ足りないって事、だよね?」
睦月さんの肩に、如月さんは手を置きました。
「ダイエット続けても…それって、解決しないと思うぞ?」
「何で…?」
「誰しも他人の体型なんて、ざっくりとした感じでしか覚えていなから…よっぽど体型が変わらないと、めったに会わない様な人なんて 気づかないって。」
「…」
「いっそ…デブってみたら?」
「─ 痩せたいと思ってるのに、なんで太らないといけない訳!?」
「極端に太れば、体型が変わった事に、気づいてもらえるよ?」
「は?!」
「相手の記憶にデブった姿を焼き付けてから 今ぐらいまで減量すれば、痩せたって言って貰えると思うんだ」
「そう…か……」
「─ ほんの冗談なんだから、本気にしない様に。」