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同調率99%の少女(11) - 鎮守府Aの物語

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--- 2 川内型揃い踏み



 鎮守府に到着した那美恵たち3人はすぐさま本館の執務室へと向かった。那美恵はノックをして中から聞こえてくるはずの声を待ってからドアを開ける。聞こえたのは女の子の声。執務室にいる女の子なぞ、那美恵は一人しか知らない。つまりは五月雨だ。

「あ、那珂さんこんにちは。」
「五月雨ちゃんこんにちは〜。あれ、提督は?」
「今日はもう会社に戻られましたよ。」
「え〜!?川内と神通の制服届いたっていうから来たのにさぁ〜。もう帰っちゃうなんてそっけないなぁ。」
「提督って会社員なんですか?西脇提督って提督じゃないんですか?」
 五月雨と那美恵はすべての事情をわかっているがために話をどんどん進めているが、まだよくわかっていない流留と幸は提督が会社うんぬんと言われて?な顔をする。

「あー、二人にはまだそこまで話してなかったっけ。艦娘制度の提督、つまり管理者ってね、公務員や自衛隊だけじゃなくて、民間人からも選出されるんだって。その大勢のうちの一人が、西脇さん。例えるなら、40年以上前まであった裁判員制度みたいにね。って言っても今はその制度ないから、私もおばあちゃんに昔聞いただけなんだけどね。とにかく、全国民の中から選ばれて運用されるらしいよ。」
 那美恵から説明を聞いた流留と幸はたとえがよくわからんと思いつつも、自分たちがこれから所属する鎮守府と呼ばれる艦娘の基地の総責任者、西脇提督のことをわずかに知り、捉え方を深めた。

「へぇ〜本業のほうと行き来するなんて、提督も大変だなぁ〜。」と流留。
「いないことも多いから私も秘書艦として頑張らないといけないんです。」
「うんうん。五月雨ちゃんはもっと大変だもんね。偉いぞ偉いぞ〜。」
 流留は提督に感心し、那美恵は五月雨の頭を優しく撫でて褒める。撫でられた五月雨ははにかんで照れ顔になった。
 大体事情がわかってきた流留はまとめるとともに感想を述べる。
「つまりはこの鎮守府って、マジで西脇提督と五月雨さんの二人で回ってるってことなんだね〜。人は見かけによらないねぇ。すごいわ二人とも。」
「エヘヘッ。それほどでもありませんよ〜。わたしなんかまだまだですから、みんなの協力がないと。だからお二人の着任、待ち遠しいんですよ私も!」
 照れながらも謙遜と相手を持ち上げる五月雨。素直な期待感が伺えて那美恵はウンウンと頷いて達観してみせたのだった。


--

「そうだ、五月雨ちゃん。川内と神通の制服届いてるって聞いたけど。どこにある?」
「あ、はい。ちゃんと仕舞ってますよ。」
 五月雨は秘書艦席の背後にある棚から紙袋を取り出し、机の上に置いて中身を出した。
「これが川内で、これが神通。はい、内田さん、神先さんどうぞ。」
 五月雨は流留と幸にビニール袋で圧縮して包まれているそれぞれの制服を手渡す。それを受け取った二人は思い思いの感情をもって制服を眺めている。クリーニングしたてのような、新品のような独特の匂いが二人の鼻腔をくすぐる。流留は数秒眺めたあとにすぐにビニールを破り、制服を取り出してバサッと広げて全体を見た。
「うわぁ〜これがあたし専用の川内の制服かぁ〜!カッコイイなーー!すごいすごい!」

 一方の幸は流留が制服を取り出したのを見てから自身もビニールを破いて制服を取り出した。直接感想こそ言わないが、一瞬漏れた笑みから嬉しさが垣間見えた。その様子を那美恵と五月雨も笑顔で見ている。

「ねぇねぇ五月雨さん!これ今着てもいい?」
「はい、どうぞ。2階に更衣室あるのでそこで着替えてきて下さいね。」
 五月雨がそう促すと、那美恵が引き継ぎ流留と幸を更衣室へと案内した。
「更衣室案内したげる。こっちだよ。」

 更衣室は2階の端、東寄りの階段の隣の部屋だ。執務室や待機室のある3階から東寄りの階段へと向かって降りて更衣室にたどり着いた。那美恵が更衣室の扉を開けて流留たちに入るよう促すと、流留と幸は更衣室のチャーミングな壁紙にまっさきに反応した。
「なんか……更衣室えらくカラフルですね。」
「そーでしょ?これね、五月雨ちゃんがデザインしたんだって。」
「へぇ〜。あの子こんな壁紙作りも出来るんですね〜。」
「もちろんやったのは業者さんだよ?」
 那美恵からツッコミが入って流留は焦りつつもごまかそうと手をパタパタと仰いで言い訳をする。
「ンフ! も、もちろんそんなのわかってますよ〜。こういう、デザインを考えるのすごいなぁ〜〜。」
 焦り具合から多分本当に勘違いしていたのだなと気づいたが、那美恵は突っ込まないで着替えを促した。

「さ、二人とも着替えちゃって。」
 そう言いながら那美恵が更衣室のロッカーを見渡すと、自分のロッカーの隣にあるロッカーに、流留と幸の名札が入っていることに気づいた。どうやら更衣室の準備もできているようだとわかってホッとする。
「はーい。じゃ早速。」
 そう言って流留は自身のロッカーに寄り、着替え始めた。幸も同様に自分のロッカーに近寄る。しばらくロッカーを眺めた後、扉を開けて制服をひとまず掛け、自身の学校の制服に手をかけた。
 二人が着替える間、那美恵は鏡の置いてあるテーブル傍のイスに腰掛けて二人の様子を眺めることにした。

 流留が学校の制服のシャツを脱ぎ、ブラを露わにする。
 でけぇ。でかいぞこの娘。もしかしなくても普通にあたしよりでけー!と那美恵は顔は涼しげに、内心発狂するくらいに驚く。着痩せするタイプかい!とも思った。見たところフルカップブラ。明らかにかなりでけぇ証拠。
 冷静に分析する那美恵の眉間には皺が寄っていた。
 一方の幸もシャツを脱いで上半身を露わにする。ブラジャーならば必然的に飛び込んでくる肌の割合は少なく、代わりに薄いピンク地が目に飛び込んでくる。那美恵は幸の胸元からスカートの中へと仕舞われているソレを舐め回すように見た。ふぅ……と一安心。流留のブラに対し、幸は肌着、ニットインナーだ。その膨らみはわずかに見える程度。
 那美恵は1/2カップブラ。世間的にも主流で、最近買った黄色地のデザインの可愛いヤツ。ふふ、サイズでは流留ちゃん“には”負けてるけど、センス的やその他総合的には後輩たちに勝ってるぜぃ!と謎の思考を張り巡らせる。
 正直暑さで頭が参っている感も否めない。