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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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おまえだれだよ!!!

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働きすぎてぶっ倒れたあとは覚えていない。
目を覚ました時には、この病院で寝ていた。

「しばらくはここで入院となります」

「はい……」

看護師に強く言われて反論もできない。
今回の検査でついでに内臓にも腫瘍が見つかったとか。

この日から退屈な入院生活がはじまる。

翌日、昨日とは別の看護師がDVDプレーヤーを持ってきた。

「これは?」

「映像治療です、ご存じないですか?」

看護師はどこからか持ってきたプレーヤーを手際よく
俺の机にセッティングしていく。

「ヒーリング効果のある映像を見せて、
 体を内側から治していくんです」

「ああ、聴いたことあります。
 自我を失った人や心が壊れた人が見るやつですね」

「ご存じでよかった。話が早いです」

「ただ、うさん臭い詐欺師が使いそうな表現ですよね……」

「まあ、結果はあなたの体でわかりますから」

看護師は再生ボタンを押す。
すると、小さな子供が遊んでいる映像が出た。

『あなたは公園で遊んでいます。
 仲のいい友達は2、3人でしょうか。
 いつも一緒に行動して遊んでいます』

公園で無邪気に子供が遊んでいる映像。

「あの……これ、効果あるんです?」

「一見すると意味の分からない映像ですが
 ちゃんと効果はあるんですよ」

「はあ……」

DVDは山積みだった。
映像はどれもひとりの人生を追っていくような内容ばかり。

退屈ではあったけれど、入院生活にはそれでもありがたい。
気が付けば毎日夢中になってみるようになっていた。

「あの、もう次のDVDはないんですか?
 もらったDVDは全部見てしまって」

「まだありません。効果はありましたか?」

「ええ、かなり効果あったんです!
 実は体の調子がよくなったんで先生に診てもらってきたんです!
 そしたら、体の腫瘍がなくなってました!」

「本当ですか」

「これもDVDのおかげです! 映像治療ばんざい!」

看護師と感謝の握手を交わした。
すると、病室にきれいな女性の看護師がやってきた。


「山田さん! また看護師の服をくすねて!
 看護師ごっこで患者さんを迷わせるのはやめてください!」