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てっしゅう
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「歴女先生教えて~」 第七話

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「加藤くん、先生は30よ。あなたの恋人になれる歳じゃないの。解るでしょ?変な事期待しているんだったらそれは無理だから考えないで」

「先生はボクのこと嫌いですか?男らしくないですか?いやな奴ですか?」

「ううん、そんなふうには思ってないよ。加藤くんは素敵よ。お父さんに家のことお手伝いしていると聞かされてとっても感心したの。でもね、あなたと私は生徒と先生よ。それは忘れないで」

「なら学校辞めます!親父の仕事なんて卒業しないと継げないっていうことないですから。それより先生のこと諦められません。我慢できないぐらい好きなんです」

「加藤くん、バカなこと言うんじゃないのよ。お父様が悲しまれるわよ。それにこんな歳上の彼女なんて紹介したらなおさらそう。頭冷やして考えるのね」

「先生の気持ちだけ聞かせてください。ボクがもし大人だったらOKですか?」

「私は加藤くんが好きよ。男らしくってかっこいいし。でも結婚対象ではないの。だから恋愛をするということにはならないの。それで良ければ時々会っても構わないけど」

「初めは友達からって言います。先生がボクに心を許せるようになるまで時間をください。学校では誰にも話しません、約束します」

「加藤くん・・・先生の心が揺れるようなこと言わないで。これまで男の人とは誰とも付き合ったことが無いのよ。初めてそんなこと聞かされてどうすればいいのか迷うわ。あなたが二十歳になれば私は34才。40歳になれば54歳、60歳になれば74歳なのよ。今とは違う。先生はあなたに嫌われるようになることがとても辛いって感じるの。解る?」

「親父が言っていました。先生はとてもきれいでチャーミングな人だ、お前もあんな人を見つけてお嫁さんにしろよ、って。あんな人を見つけるんじゃなく、先生が良いんです。決して裏切ったり、悲しませたりしません。約束します」

「うん、ありがとう。先生嬉しいよ、涙が出てきた・・・」

美穂が電話の向こうで泣いていることが加藤には伝わった。加藤も同じよう泣いている。この日から美穂は加藤を強く意識するようになったが、学校では知らんふりをするしかなかった。

「起立!礼」

「おはようございます~」

「おはよう、着席して」

美穂は初めに加藤の顔を見た。加藤はじっと美穂を見つめていた。

「前回大化の改新を話しましたが、今回はその次に起こった大きな出来事の壬申(じんしん)の乱を学びましょう。それとね、大化の改新というのは乙巳(いっし)の変以降に中大兄と鎌足らが行っていった国家政策のことを言うの。クーデターそのものが改新ではないのよ」

「政策とは律令制度のことですか?」

「うん、渡辺くんその通りよ。それまで日本にははっきりとした国家を治める制度が無かったの。天皇を中心にしてそのことを天下に知らしめるために律と令を中国に学んで制定したのね。習ったことがあると思うけどそれまで自由に土地の所有が認められていたものをすべて天皇の領地とする公地公民制を敷いたの。それと、首都を置き、それまでの所領を国と郡(こおり)に改めて国郡制度の姿に整えたの。戸籍と計帳を作って班田収授法(はんでんしゅうじゅのほう)を制定し、租(そ)・庸(よう)・調(ちょう)の税を課した」

「壬申の乱って何ですか?」