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メルヘン アデリーペンギンの大冒険

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南極に夏が近づき 皇帝ペンギンの子育てが終わるころ
皇帝ペンギンのコロニーにアデリーペンギンがやってくる
皇帝ペンギンと交代で子育てをするためだ
南極の夏は太陽が一日中沈まない

まだ皇帝ペンギンの子育ては終わっていないので ケンカっ早い
アデリーペンギンと皇帝ペンギンの坊やはよくケンカする
やがて皇帝ペンギンの親は 最後のエサを坊やに与え 永遠のわかれとなる

皇帝ペンギンの坊やは いつまでたっても親がこないので 集団となって
エサ場の海岸へ移動する お腹がすいた坊やたちは つきつぎに勇気をだして
海へダイビングしてゆく  独り立ちの時がやって来たのだ

そうこうしているうちに 海上をみると  巨大な氷山がみえた
その大きさは長さが100キロメートルもあるという ちいさな島のようだった
ゆっくりとコロニーの海岸にむかっている 

驚いた皇帝ペンギンの坊やたちは いそいでアデリーペンギンにしらせにゆく
それをきいてアデリーペンギンたちも 海岸へみにゆく
 
アデリーペンギンの長老は
(これはたいへんな事態だ  もうすぐ魔法使いがくるから相談しよう)

やがていつもの魔法使いがやってきた
(とうとうやって来たか この氷山は約20年に渡って湾に浮かび)
(悪魔の氷山と恐れられているものさ 強風が運悪くこちらに吹いたようだ)
(日本という国の東京というところ全体と ほぼ同じ大きさの巨大なものだ)
(もうすぐコロニーの海岸に衝突するよ 皇帝ペンギンの坊やたちは)
(はやく べつの海岸へおゆき  アデリーペンギンが大変だ) 
(私が1週間くらいは魔法でひきとめておくけど 強力な魔法で)
(つかれるから それ以上はむりだね)
(ただ一つだけ助かるのぞみがあるが たいへん危険な場所へゆかなければならない)

アデリーペンギンの長老が
(いったいそれは どんなところなのですか)

魔法使いは
(遠い昔からこの南極を守っている オーロラという神様がいるのさ)
(ペンギンが食べられないように シロクマが渡ってこれなくしたり)
(こわい人間が容易に近づけないように 南極への海に恐ろしい)
(はばのひろい嵐の海流域をつくって 守ったのさ )
(そのオーロラさまは 深い海の中に入口がある 洞窟のなかさ)
(そこへゆくには シャチやヒョウアザラシのいる 海の中を通らねばならない)
(そのオーロラさまにお願いするしかないだろう )

アデリーペンギンの長老が
(どんなに危険でも あの氷山が衝突したら エサ場がなくなるから)
(ゆかなければならない みんなでさっそく相談しよう)

アデリーペンギンの長老が中心となって話し合う
(大勢では目立ってしまい シャチやヒョウアザラシにきづかれるから)
(わかい5歳のもの 力のある10歳のもの 知識のあるとしよりの15歳のものの)
(3人にしよう それぞれの特徴を生かして 必ずオーロラさまにあうのだ)
(3人はそれぞれ父 兄 弟だと思って協力してやってくれ)
(魔法使いさん それではオーロラさまのいる洞窟はどこですか)

魔法使いが現れて
(この水晶の玉が道案内だ 海中を明るく照らしながら おまえたちをみちびく)

魔法使いが呪文を唱えると 水晶の玉は明るくひかり 浮き上がった
(しかし 気をつけるように この玉はシャチやヒョウアザラシから)
(おまえたちを守ってくれるわけではない 道案内だけだ しかし)
(シャチやヒョウアザラシなどの敵が近づくと ひかりがきえるから)
(すぐにどこかへ隠れるのだ わかったな)

アデリーペンギンの長老が
(さあ 一刻の猶予もならない すぐにたつのだ )

アデリーペンギンの父 兄 弟は水晶の玉に導かれて さっそく海にむかった
コロニーの海岸を2キロほどはなれたところで とつぜん玉のあかりがきえた

アデリーペンギンの父が
(どうやらこの近くに なにかいるようだ そういえば昔きいたことがある)
(ヒョウアザラシが岩に化けて 待ち伏せしていると-----きをつけて)
(まわりをみてみよう )

といい終わらないうちに 岩だと思っていた中から ヒョウアザラシの巨大な
頭が飛び出してきた 大きく開かれた口が彼らにむかってきた

アデリーペンギンの父が
(さあ みんな 逃げるんだ 一緒だとみんなやられるから わかれて逃げよう)
(無事な時はふたたび ここにもどってくるように)

アデリーペンギンは三方に散らばってにげはじめた ヒョウアザラシはその中で
最もスピードのおそい父ペンギンに目をつけた 猛スピードで追ってゆく------

さて しばらく時間がたったころ 待ち合わせの場所には 兄と弟のペンギン
が父ペンギンを待っていた しかしいつまでたっても父ペンギンは姿をみせない

弟のペンギンが(どうしたんだろう)兄ペンギンも(どうしたんだろう)
(僕たちのために 犠牲になってくれたのかもしれない 先をいそごう)

ふたたび水晶の玉は明るくひかり 行く先を示し始めた 玉は海岸沿いを
はなれ 深い海の中へ向かって行く 兄ペンギンが
(これからはシャチがこわいな おそわれたら いそいで流氷の下にかくれよう)

弟のペンギンが
(それではいつまでたっても 洞窟の入り口にはつけないよ)
(シャチがきたら 僕が犠牲になるから 兄さんは入口へ向かってよ)

兄ペンギンが
(いや ぼくが犠牲になる おまえはまだ若い これからだ)
(シャチがこない事を 祈ろう)

兄弟ペンギンたちはどんどん深くもぐってゆく 水晶の玉のひかりだけがたよりとなる
やがて少し先におおきなまるい穴がみえてきた と その時水晶の玉のひかりがきえた
真っ暗になった海中に 不気味な音がひびく どうやらシャチのだす音らしい

兄ペンギンが(弟よ おまえは さっき見えたあなへ向かえ はやく)

弟ペンギンが(兄さんをのこしてはいけないよ 一緒にゆこうよ)

兄ペンギンが(みんなのいのちがかかっている はやくゆけ)

兄ペンギンは弟ペンギンに体当たりして あなのほうに押し出す
そして兄ペンギンはシャチをおびきよせるため 反対方向へ向かう
しばらくあとで 巨大なものが 猛スピードで兄ペンギンを追っていった
残された弟ペンギンに ふたたび水晶の玉がひかり 入口へみちびく
入り口に入った弟ペンギンはどんどん奥へ進む 弟ペンギンは泣きながら
(父さんも兄さんもいなくなり とうとう僕ひとりになった)
(はたしてオーロラさまのいる場所へ たどりつけるだろうか)

やがて海水はなくなり 洞窟がみえてきた さらに奥へあるいてゆく 

小さな美しいひかりが行く手にみえてきた どんどんあかりが大きくなり
とうとう洞窟のひろい空間についた 

なんといううつくしい光景だろう 洞窟がオーロラにみたされているのだ

弟ペンギンは泣きながら(オーロラさま! オーロラさま! いらっしゃるのですか)
(アデリーペンギンといいます 巨大な氷山がコロニーに近づいています)
(このままでは衝突してしまい コロニーは全滅します 助けて下さい)
(お願いします! お願いします!)