ブルーエンパイア
第1章-古代文明の使者1
悲鳴と警報が、夜の大寺院に響いた。
祈祷師の白い胸は、銃で撃たれ、血で赤く染まっていた。
法衣の女が、瀕死の祈祷師を抱え起こした。
祈祷師は、ぶるぶると唇を動かした。
「ハスの花……。太陽を囲む……ハスの花……。犯人たちは……太陽を囲むハスの花の印をつけている……。犯人たちは、四人だ。鍵の玉を切り取って、持ち去った……。はやく……はやく、鍵の玉を……」
そういって、祈祷師は息絶えた。
室内には、さらに二人の祈祷師が、胸と腹を撃たれ、血を流して倒れている。息は、すでになかった。
かけつけた人々は、目の前の光景に、言葉を失って立ち尽くしていた。
丸い天井の部屋の真ん中で、巨大な緑色の塊が、月明かりを受けて輝いていた。