スケッチ #3
さて、次の旅に出る
時給800円の仕事
胡乱な夢
空っぽのコンビニエンスストアと
雨戸の閉め方
二軒目のスナック
知らない誰かの財布で飲む泡盛
借り物の自転車と
借り物の制服
私の 沖縄
一昨日見た夢の続きが見たくて今日も目を閉じる
顔は思い出せないのに絶対にきみだと思った
そして泣く
夢の中でもわたしは
あなたと一緒に居られたらそれでよかった
一晩だけ夜を共にする人がいたとして
それが明日に繋がるとどうして信じられるの
Iは在っても愛がない
服を剥ぐ作業のめんどくささとか
肘の 薄い皮膚の感触とか
誰と
比べても仕方がないし
この海にきみは居ないし
何をしていたって 居ないし
誰の腕のなかにも居られるけれど
誰の腕のなかにも居たくない
わたしの
わたしの表現は
きっとどこにも行かないのだ
わたしの体を蠢いて這い回って
胡乱に融ける
それが丁度よいのだろう
外ににじむこともなく
きっと可燃性でもない
そうしてひとり素手でかき混ぜ続ける
決別できない愛が
どこかに埋まったからだひとつ
抱えて
また きみの夢を
見られるのならどこへだってゆこう