小説が読める！投稿できる！小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ！

酔い覚ましに庭に出る
けれども
まとわりつくような蒸し暑い空気に包まれ
更に気が滅入る

見上げると満ち足りない月が薄い雲の下

西から流れる雲は早い
黒い雲が月を隠してしまうまで
ほんの数秒

隠れてしまった月が
いるであろう位置を眺め
自分にまとわりつく空気ごと
何もかも捨ててしまいたくなる
衝動に駆られる

雲の流れは早い
月が再び姿を見せるまでは
ほんの僅か

静寂の中
月明かりの下
大きく深呼吸して
室内に戻る