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失落の中でも夢をみることは可能である

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少女A「ねーここはどこ?」
照明がおちて、真っ暗闇を演出する。
語り手「ここかい。ここは君もしっているだろう失落の世界だよ。」
少女A「失落の世界?」
語り手「そうさ。失落の世界。君は経験をしたことはないかい?
でもちなみにお譲ちゃんはわかいからな。いくつだい?」
少女A「んーと。今年で17になるよ。」
語り手「そうか。それは失礼したね。私はもう1000年はいきたかな。」
少女A「そんなに長い間いきたの?」
語り手「そんなに短い感想かい?まぁ。いいよ。お譲ちゃんには失落はまだ早すぎる。なのに不運だってね。お譲ちゃんは事故で他界していしまい、今ここにいるんだよ。」
少女A「ということは私は死んだってこと?」
語り手「そうさ。お譲ちゃんには悪いけどね。これがもう失落なんだ。
もうなにもこわくないよ。まるで深夜のプールって感じかな?」
少女A「そうなんだ。難しい。ちなみに私は何で死んだの?」
語り手「交通事故だってさ。よくある話しだよ。お譲ちゃんはしっかりと青信号をわたってたところを乗用車が突っ込んでお譲ちゃんが他界した。」
少女A「あ。そうなんだ。なんか一瞬だったから何も覚えてないや。」
語り手「その方がお譲ちゃんにとってはいいね。
でも現実の世界にとりのこされたお譲ちゃんの家族はしくしくと毎晩のように鳴いているよ。」
少女A「そうなんだ。パパとママにさ。いっておいて。私は今失落にいるって。」
語り手「パパとママに失落から連絡でもするかい?その代わりにお譲ちゃんのパパとママが失落に陥ってしまうよ。」
少女A「なら。いいや。」
語り手「うん。そのうち家族の涙も時間が過ぎ去っていくことにより涙腺も渇いていくんだよ。」
少女A「ふーん。そうなんだ。時間っていうのは恐ろしいね。」
語り手 フフッとわらう。
「そうだよ。失落は時間と並行する。執拗に失落はついてくるんだ。
夢のついえたパイロットはどこの星にもおりないでしょ。それと同じ。」
少女A「私はどうなるの?」
首をかしげる。
真っ暗闇から照明が点灯する。
語り手「もう一度光を信じてみないかい?」
少女A「でもこの失落の世界では現実にも連絡することもできない。」
語り手「だからお譲ちゃんにもう一度光をみせてやろうとおもってさ。
不運の出来事をただ通常に戻すだけだよ。」
少女A「いいの?」
語り手「いいよ。代償もないし、交換条件もない。ただ・・・・・・・。」
夥しい数の人の死体が溢れている。
語り手「そうでもしないと失落にのまれてしまい、無残な姿になるのさ。
こいつらも不運だ。そして光を与えてみたら干からびた。こっけいのこっけいだ。」
語り手に情はなかった。
少女A「私はどうしたらいいの?」
語り手「私が失落の中で光を与えてあげるからもう一度夢をみなさい。
何になりたかったの。将来は?」
少女A「パティシエ。」
語り手「そうかい。その夢は失落の中でもみれるね。」
そして光はこうこうとつく。

少女はパティシエの姿で登場する。

語り手「いったとおりだろ。」
少女A「うん。本当だ。私ね。失落のなかでもいっぱい修行してパティシエになったの。」
語り手「そうかい。そういう声がききたかった。
よかったね。死神のスープにならなくて・・・・・・・。」
少女A「うん。よかった。誰のおかげかな。」
語り手「それはこの物語を閉じてから考えて・・・・・。」
以上・・・・・・。