更新日時:2016-09-17 15:19:28
投稿日時:2016-08-07 11:02:13
その前に窓を閉めさせて
作者: 楡井英夫
カテゴリー :恋愛小説(愛欲)
総ページ数:1ページ [完結]
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著者の作品紹介
マモルははっとした。同じように幼い頃を思い出したからである。……遠い日の夏、母が買ってきた風鈴、母と添い寝をした夏。チリーン、チリーンと風鈴の音が家の中を駆け抜けた。もう戻らない貴い夏。
「いい音だ」とマキを抱き寄せた。
風鈴の音を聞きながら、マキの匂いを嗅いだ。石鹸の甘い匂いがした。
「君を抱きたい」とマモルが言うと、マキは顔を赤らめた。
「本当に? どうして?」
「好きだから」
「でも、見たんでしょ?」
「もう忘れた。ただ、今は抱きたい」とさらに強く抱きしめた。
マキはほほ笑んで彼の手を振りほどいた。
「その前に窓を閉めさせて」と言って窓をしめた。
それからだ。週に何度か愛し合うようになったのは。
「いい音だ」とマキを抱き寄せた。
風鈴の音を聞きながら、マキの匂いを嗅いだ。石鹸の甘い匂いがした。
「君を抱きたい」とマモルが言うと、マキは顔を赤らめた。
「本当に? どうして?」
「好きだから」
「でも、見たんでしょ?」
「もう忘れた。ただ、今は抱きたい」とさらに強く抱きしめた。
マキはほほ笑んで彼の手を振りほどいた。
「その前に窓を閉めさせて」と言って窓をしめた。
それからだ。週に何度か愛し合うようになったのは。