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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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侵略侵略また侵略!

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「テ、テキダー! テキガキタゾー!」

宇宙惑星「リョウユウカイ」に地球人が攻めてきた。

「リョウユウカイ隊、出撃ダー!」

指令によりリョウユウカイ隊が出撃する。
地球人との激しい攻防のすえ、リョウユウカイ隊は地球人を撃退した。

「ヤレヤレ、最近ハマスマス被害ガ増エテルナ」

最近の地球環境はますます悪化の一途をたどっている。
リョウユウカイ隊の出撃もどんどん増えている。

もちろん、科学技術にまさる「リョウユウカイ惑星」なので
地球人とは一方的な"狩り"に近い状態。

「コノママ、モウ来ナケレバイイノダガ……」

リョウユウカイ星人は宇宙を見上げてつぶやいた。

 ・
 ・
 ・

「くそ!! またやられたのか!!」

一方、地球では今回の敗北に怒り狂っていた。

「今回の出撃はわが星の全力だったのに、
 それが……わずか1行で撃退されるなど!!」

「やはりリョウユウカイ人は強力ですな」

「あの科学力……我らの手に落ちればどれほどのことが……」

「ええい、手に入れれないものを考えても仕方がない!
 なんとしてもリョウユウカイ星を手に入れなければ
 我々はもちろん人類そのものが終わってしまう!」

リョウユウカイ人も気付くほどに地球環境はひどくなり、
もはや人間が生きていける状況にはなかった。

それもあり、環境の近い「リョウユウカイ星」へ
狙いを定めたまでは良かったものの
その圧倒的な軍事力や科学力の前には手も足も出ない。

「なんとかして、あの星に移住しなければ……。
 このままでは地球に追い詰められて死んでしまう」

「いや、地球をこんなにしたのは我々ですが」

「正論聴いてないわぁ!!」

ここで諦めるわけにいかない。
今回の敗北を研究し、分析し、さらに強い兵器を作った。

「できた!! 超時空汎用決戦攻撃強襲用戦闘機だ!
 今までの侵略兵器よりもずっとずっと強力だぞ!」

「やりましたね!」

「でも、本当にこれで勝てるんですか?」

「……」
「……」
「……」

誰も答えられなかった。

確かにこの新型戦闘機は今までで最も強力な兵器。
けれどそれはあくまで"地球での話"。

そもそも科学力が上であるリョウユウカイ人には勝てっこない。
こちらでの最新が向こうにとっては旧式。

「正面から向かっても勝てないよな……」

また、あっさり撃退されることは明らか。
すると、研究室から1人が慌ててやってきた。

「見つけました! リョウユウカイ人の弱点です!」

「おお、よくやった!」

「奴らは、緑……つまり草木に弱いんです!
 酸素は彼らにとって有毒、だから森とかもないんです!」

「それは使えそうだ!
 ようし、バイオ兵器の開発を急げ!!」

人間にとっては有益で、敵にとっては有毒。
これほど優位に立てる材料はほかにない。

「できました! この兵器を星に打ち込めば、
 奴らの惑星は数分後に緑がどんどん感染して広がります!!
 そうなれば……」

「緑に追われた奴らが慌てて空に舞い上がる」

「そこを新型最新兵器でぶっ倒すというわけか!!」

まさに、あぶり出し作戦。

今までのような正面突破方式ではなく、
相手を浮足立させてからの攻撃。これには手ごたえを感じる。

地球は初めて手に取って触れられそうな距離に勝利を感じた。

「ようし!! 作戦結構だ!!
 この地球を出て、必ずやリョウユウカイ星を手に入れる!!」

「おおーー!!」


――作戦決行。


地球で練りに練られた作戦通りにすべてが実行された。
しかし、すべて人間の思い通りになんて行かなかった。

「た、大変です!! 戦闘兵器がどんどん無力化されています!!」
「緑化装置も中和されて効きません!!」


「な、なんてことだ!! リョウユウカイ人め!!」


科学力が優れているのは、地球人より頭がいいから。

それだけに地球人が考えることなんて、
すでにリョウユウカイ人も考え付いていた。

地球人が使いたがる兵器「戦闘機」を
蚊取り線香のように無力化する装置で待ち伏せていた。

さらには、弱点である緑に対しても対策済み。

「ち、ちくしょーー! リョウユウカイ人め!! 覚えてろ!!」

完全な敗北を喫した地球人たちは逃げ帰った。
再び地球に戻って作戦を練るはずだったが……。
リョウユウカイ人は最後まで容赦はしなかった。


「大変です!! リョウユウカイ人がこちらの兵器を手に入れました!
 照準がまっすぐ地球に向いています!!」

「なんだって!?」

ついにリョウユウカイ人が守るだけでなく攻めに転じたのか。
地球人が開発した新兵器を、リョウユウカイ人が大規模化したあげく
本丸である地球に対して攻撃をしかける。

ハチを退治するために、巣をつぶしにかかったのか。

「お、おのれリョウユウカイ人め……!!
 許さんぞ!! 化けて出てやる!!」

「地球人の恨みを……呪いを必ずかけてやる!!」

そんな思いを知ることなく、リョウユウカイ人は発射ボタンを押した。
その瞬間、地球にバカでかいビームが照射された。




「……あれ? なんともないぞ?」

「ハハハ! リョウユウカイ人めっ、奴らはバカだ!
 間違って緑化兵器の方を使ったようだな!!
 あれは人類にとって無害なんだよ!」

「驚かせやがって! 所詮は宇宙人だな!
 さぁ、リベンジ戦に備えて侵略作戦計画を練るぞ!!」

地球人はまた次の新兵器開発へと動き出した。

 ・
 ・
 ・

一方、リョウユウカイ星は油断しきっていた。

「コレデヨシ、ダ。
 コレデ地球ハ緑ニアフレルナ」

「地球人モ侵略スル必要ガナクナッタワケダ。
 コレデ、オ互イニ平和ナ毎日ガ過ゴセルゾ」


この後、地球人がまた侵略しに来ることになるとは
リョウユウカイ人達は誰一人考えもしなかった。