本当の世界3
生徒A「ちょっと待って下さい!!」
上杉「はい」
生徒A「嘘をついてはいけないってどういう意味ですか?」
上杉「そのままの意味です」
生徒C「え?そんなの無理じゃないですか?」
生徒B「なんで?」
生徒K「人は無意識に嘘を付く。お前10分話せって言われたらどうする?例えば自分の事とか紙に書かず」
生徒B「話せる」
生徒K「でも、時間や日付、場所は大雑把になるだろ?」
生徒B「確かに」
生徒K「それさえも嘘になる。武勇伝とか3割増で話すだろ?嘘も方便それを禁止されたら」
生徒D「・・・何も話せない?」
生徒K「主張とか出来なくなる。まあーどこまでの嘘を禁止したかにもよるけどな」
生徒M「どれ位は大丈夫だったんですか?」
上杉「無いですよ。嘘は、見栄や誤解を解かない事や勘違いを正さない事や守る嘘も全てダメでした」
生徒A「それ冗談とかも?」
上杉「はい」
生徒E「ネットは?」
上杉「ダメです。だから直ぐにネットの掲示板や書き込む系は廃止になりました。ネットは基本仕事関係のやり取りと保存のみになっていました」
生徒F「どうやってコミュニティとか取ったんです?」
生徒H「それもないんだろう?だから、孤独死や自殺が増えた」
上杉「そうです」
生徒C「でも、仕事出来ないですよね?」
上杉「はい。だからエリアを作りそこだけは嘘を付いても平気な所を作った。仕事関係、医療関係、学校。他はダメです」
生徒H「経済が上がるわけか」
上杉「皆仕事に行くのを生き甲斐にしてましたから」
生徒G「家族の前とかは?」
上杉「大丈夫です。玄関に装置を付けてオフにするので。嘘を付いていいエリアをLO。嘘禁止エリアをLNと呼んでました。LOエリアには入口にその装置Fが設置されてました」
生徒A「でも、全ての嘘に反応するのって無理じゃないですか?嘘発見機でも心拍数とかそういうの隠せる人は居ますし」
上杉「そこでミトラ、今で言うミラです。ミトラは心拍数だけではなく、その人の生活を監視して親元のミトラに送ります。そして、親のミトラが嘘かどうか判断します」
生徒K「人じゃなくて?」
上杉「機械です。最初は人でやってましたが、手を抜く人が出たりミトラを使ってプライバシーを見たりなどあり、機械に代わりました。人手も足りませんしね」
生徒K「上手くやってたんだな」
生徒A「でもそれでも無理ですよね?暴動が起きる」
上杉「はい。始めは凄かったです。ですが、そこは国家権力。日本は今迄軍にお金を使ってませんでしたが、内乱でそれじゃあダメと分かり、そこにお金を使い出した。そのお陰で暴動は直ぐに片付けられました。それに暴動起こす算段や仲間集めもままならない。それに嘘を付いたら強制的に施設に容れられた」
生徒C「施設?」
上杉「はい。施設に行った人達はまるで人が変わった様でした」
生徒E「何があるんですか?」
上杉「行った事無いので分かりません」
生徒G「嘘を一回付いただけでアウトですか?」
上杉「いえ。一週間5回でアウトです。一週間でリセットされます」
生徒K「・・・そこが空白・・・」
上杉「そうです。楽しく話ていたのに1歩LNエリアに出たら皆黙る。黒歴史、人の尊厳、人間の性。人間の本質を無くした。いえ、それが真実だと思い知らせる。皆様のご家族が話たくない自分達の真実です。子供達に嘘をついちゃ駄目と教えながらも、嘘が無いと会話が出来ない。そんな事知られたくないでしょう」
生徒K「なるほど。これで分からなかった所が埋まる訳か・・・。だけど、一つ疑問があります。出産率の増加です。そんな嘘を付けない中どうやって」
上杉「国の絶対的保証です。あの時代、出会いが無いと嘆く人達。結婚はしなくても子供が欲しい。収入が安定しない女性達を味方にした。妊娠から出産、出産後も国が月25万、家賃無料、税の免除、それらを女性達に約束し、そして、守っていた。まあー6歳までですが、子供を産み続ければ関係ありませんでしたからね」
生徒K「そんな事が本当に可能だったんですか?」
上杉「それを可能にしたのが当時の天皇です。劣悪だった日本の経済を立て直し、国際問題も次々に解決し、日本を救ったんです」
全員「・・・」
生徒О「それ、本当に救われたんですか?」
上杉「どうでしょう」
生徒A「・・・先生、続き教えて下さい」
上杉「はい」