ここに来た5 フランクフルト
5 フランクフルト(ドイツ)
ハイジが降り立ったフランクフルトの中央駅。
現代では、ドイツが世界に誇る高速列車がホームに並ぶ。
レンガ造りの町並みの向こうに、近代的超高層ビルと曇り空。
ビジネスで来た事を再認識できる真冬の光景。
この街には、無機質なRIMOWAのスーツケースが似合う訳だ。
街を散策しようと地図を見ても、ドイツ語は読めない。
ただ石畳を歩き続け、趣のある街の風景に足を止め、グレー一色の写真を撮る。
欧州中央銀行本店ビル周辺で、真新しい車や、路面電車の警笛を聞いて近代都市だと実感。
マイン川沿いを歩いて観光船を眺めても、やはり異国の興奮は起こらない。
教会で暖を取ろうと、十字架の高塔に向かって歩いていくと、古い石造りの三角屋根が可愛いらしい、カラフルなビルが立ち並ぶ一角に、偶然たどり着いた。
その広場のカフェで熱いコーヒーを飲んで、道行く人を眺めること暫し。
ウェイターから街の見所を聞いて地下鉄に乗り、オペラハウス、詩人ゲーテの生家を見学するも心躍らず。
賑わう市場でカラフルに並ぶチョコレートや、野菜の鮮やかな色彩に目を奪われ、名物のホワイトアスパラを夕食の候補に。
しかし、夕食を摂ろうにもレストランとバーの違いが見て取れず、ビールとソーセージだけで済ます羽目に。
ホテルの部屋に風呂は無く、シャワーのみで冷え切った体は癒せない。
これから何度も訪問するには、連れが必要だと思った。
作品名:ここに来た5 フランクフルト 作家名:亨利(ヘンリー)