タバコ
街で見かけたあなたの歌声。
耳元で流れてた音楽も時間を忘れて
立ちすくむ。
止まった足に雪がちらちら吸い付いて
わたしの体温は吸い取られ
少しさみしくなりました。
疲れたような顔をして
なんとなくけだるそうにギターを握るあなたは、
寒いのは苦手なんだといいました。
たばこのにおいを少し残して
あなたはゆっくり帰りました。
指先を赤く染めながら
冷たいコンクリートにお尻をのせて
わたしを無視して叫び続けるあなたが
必死に涙をこらえているような
冷たい目でそらを睨むあなたが
なんだかかわいそうに見えました。
あなたの歌が私に染み付くように
私の声であなたがその足を止めてくれたなら
この雪ももっと綺麗にみえるのでしょうか
疲れたような顔をして
なんとなくけだるそうにギターを握るあなたは、
寒いのは苦手なんだといいました。
たばこのにおいを少し残して
あなたはゆっくり帰りました。
たばこのにおいを少し残して
あなたはゆっくり帰りました。