台本
人は神様が書いた物語の中で生きている
高校3年生になった柚木はそう思っていた。
毎日何気なく行っている行動でさえ、神様のシナリオ通りなのだ。
生まれてくる前に、私たちは神様に鬼のようなレッスンをうける
台本を完璧に覚えたものだけがこの世に生まれてくることができる
すべてをやり遂げた感動から来る喜びに、誰もが生まれてきたときに泣いているのだ。
どんなに努力しようとも、それもすべてシナリオ通り。
だから
だから目の前にある進路希望用紙は無意味だ。
何を書いたってどうせ神様のシナリオで動くのだから書いても書かなくても変わらない、何も変わらない。