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きんぎょ日和
きんぎょ日和
novelistID. 53646
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母の日のメダカさんたち…その後。

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去年の母の日に、お母さんへメダカをプレゼントした。
出目メダカ・パンダメダカ・青メダカの三種類。
お母さんは玄関で正座したまま涙していた。

そしてこの前のお母さんとの電話でのやり取り。

『あなたがくれたメダカさんたち、また今年も卵を産んでるよ~。今日は朝からその卵取りしてた。』
とお母さんは言った。
『誰が一番増えた?!』
と聞いたら、
『出目。』
の一言。
なんだか嬉しくなさそう…と思ってたら、お母さんが続けて、
『気持ち悪い…。目が飛び出してるのよっ!!気持ち悪い…。見るたびに気持ち悪い…。』
と迷惑被ってるような想いが私の耳に降り注いだ。
私は何と返事をしたらいいのだろうか…。
一応一言、
『出目さんかわいいよ…。』
と言ってみた。
もちろんお母さんは肯いてくれるわけでもなく、
『ぜ~んぜん、かわいくない。』
と言った。
そしてそのまま続けて、
『一番多い青がいっぱい死んで一番増えなくて…、たった三匹しかいない出目が一番卵を産んで一番増えた…。生まれた数は出目が一番多くて十何匹だけど、全体では青が一番多いよ~。でも、お母さんが増えて欲しいのは青なの!!出目じゃないの!!でもどうしてか、青ばっかり死ぬの…。』
と切実さをこちらに訴えても仕方がないのに仕切りにそう言っていた。
たぶん…、青メダカはメスばっかりだったんじゃないのかなぁ~と今では思う。
十匹ほどにオスが一、二匹だったら、そう増えないと思う。
切実なお母さん…ガンバレッ!!としか今は言えない。
パンダさんについてはどうでもいいのかと思った私は、
『パンダさんは増えた?!』
と聞いてみたら、
『うん、まぁ…。』
という曖昧な言葉で終わった。
パンダさんにもそう興味がなさそうだった…。

一年経って思った。
…贈り物って…難しい…と…。
いろんなメダカの青ばっかりあげたら良かったのかも…とか思うけど、結局その中から一番好きな青が選ばれて、その青ばかりを見つめて愛すのだろう…と先を予測してしまった…。
やっぱり贈り物は難しい…。
現金をあげて、本人が好きな物を買うのが良いのかもしれないけど、それだと何が残ったのだろうか?!…となる。
出目を気持ち悪がり、パンダさんはなんとなく…、そして青メダカを愛す。
あーれやこーれや、あーだこーだ言う事までもを含めて、この全ての起こりが贈り物の中には入っているものだと思うと、またお母さんに何かしらを贈りたくなって来た。
この気持ちが贈り物をする為の行動になっているんだろうなぁ~なんて思いながら、今この文章を書いている。
出目とパンダさん、ガンバレーーーッ!!
そしてお母さんは知る由もない…、ここで出目とパンダさんが応援されているのを…。