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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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新・地球の設定ミス!?

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その日、地球は大爆発させられた。

荒れる地球環境。
止まらない争い。

見かねた神が地球をぶっ壊して、
またイチから新しい地球を作ることにした。

「さて、今度の地球は完璧で完全無欠のものにしないとな」

地球の素となる粘土をくみ上げて、
地球の入力シートを取り出す。

名前:
生物:
除外:
魅力:
短所:
長所:
苦手:
今後:

「結構入力するところあるんだな」

たしか、名前が惑星の名前で
「生物」がどんな生き物を多く住まわせたいか
「除外」は逆に住まわせたくない生物はなにか
「今後」がたしか……なんだっけ。

「ああ、そうだ。
 前に作った『地球』のシートを確認しよう」


名前:地球
生物:多種多様
除外:悪い宇宙人
魅力:水と緑があふれている
短所:よく地震が起きる
長所:とってもきれい
苦手:なし
今後:いろんな生物の母なる星になること


「そうだったそうだった。
 『今後』はこの星の未来の方針を書くんだった」

あらためてみてみると、地球を作るときの入力は
おおざっぱというか雑というか……。

一度入力してしまったが最後、
後になってやり直しができないのもあって
こんな雑な形で地球はわずか7日で作られた。

「今回の地球の失敗を活かして、
 今度はちゃんと完璧な惑星を作らないとな」

神が入力しようとしたところで、
チビ神が興味津々でやってきた。

「なにやってるかーなにやってるかー」

「ああ、向こうへ行けよ、もう。
 今は新しい地球を作るシートを書かなくちゃならないんだ」

「しょもーするー。われも作ることをしょもーするー」

「わかったわかった。記入させてやるから向こうへ行け」

神はちび神に、別の惑星のシートを渡した。
まだ小さいチビ神は喜んで走り去っていった。

「よし、と。新・火星のシートだとばれてないようだな。
 今度の地球は完璧な惑星にしないと……失敗は許されない」

神は気を取り直してシートを記入しようとした。
そのとき。

「できたーできたー」

ふたたびチビ神がやってきて急きょ中断。

「わかったから向こうへ行っててくれ!
 これじゃ集中できない!」

「ちきゅーできたー。
 あんまりあおくないーふしぎー」

チビ神の設定したのは地球ではなく火星だから当たり前だ。
もちろん、そのことをチビ神は気付いていない。

それよりも、神が気になったのはその完成度だった。

「この惑星……すごいじゃないか!
 自然が溢れて、それでいて争いもない!
 俺が求めていた完璧な惑星の形だ!」

「へいわのほしなのー。
 ちきゅーはへいわのほしなのー」

チビ神から火星の設定シートを借りて確認する。


名前:地球
生物:草食動物
除外:戦争ばかりする人間
魅力:自然が多い
短所:定期的に隕石が降る
長所:生物同士仲がいい
苦手:自然破壊
今後:みんな平和に暮らせる惑星


「なるほど……こう入力すればいいのか」

神は惑星誕生の禁じ手である「コピペ」を思いついた。

一度書いてしまったら直しが効かない惑星誕生だけあって失敗できない。
だからこそ、火星という成功例を流用するのが楽で完璧な方法。

「チビ神、ちょっとあっちで遊んでいてくれるか?
 あとですぐに呼ぶから」

「ちきゅーのシートをどうするかー?」

「ああ、これはちょっと読ませてもらうだけだよ。
 コピーして新しい惑星を造ろうなんて
 これっぽっちも考えてないからね」

「なのかー。そうなのかー。
 設定シートのこぴぺはじゅーざいだぞー」

「わかってるって。さぁ、向こうで遊んできなさい」

チビ神を送り出すと、地球のシート記入を進める。
チビ神が戻ってくる前に仕上げなくては。

「ふふふ、とはいえコピーするだけだから
 簡単だしあっという間に終わる。
 惑星の名前さえ変えておけばコピペもばれないだろう」

名前はどうするか……。
『地球』だとチビ神のとカブってしまう。

まあ、テキトーでいいや。

「よし、地球mk2 にしよう」

やっと名前の着地点が見えたとき、チビ神が戻って来た。

「やばい! 戻ってくるの早ぇよ!
 とにかく急いで記入を終えないと!
 写してるのがばれたら大変だ!!」

神は慌てて記入を終えて、チビ神にシートを返した。

「ありがとう、読ませてもらったよ。
 お前の星もなかなかだが、まだまだ子供だな。
 俺の作る完璧で完全無欠な星ほどではない」

「さすがだー。
 それで、どれがその星なのー?」

「ふっふっふ! ではお披露目しよう!!
 これが我が新作『地球 mk2』だ! ……ああっ!?」


俺が作った新作の星は、見るも無残な惑星だった。
戦いと自然破壊だけが行われる星「地球mk2」。

「いったい……いったいどうして……!?
 ちゃんとコピーしたはずなのに……。
 どうして同じように完璧にならないんだ!!」

チビ神は『地球mk2』の設定シートを見て気付いた。


名前:
生物:地球 mk2
除外:草食動物
魅力:戦争ばかりする人間
短所:自然が多い
長所:定期的に隕石が降る
苦手:生物同士仲がいい
今後:自然破壊


「これ、一行ずつズレているのー」