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青井サイベル
青井サイベル
novelistID. 59033
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アニムスと

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気を抜くにも恰好のつけかたはある
彼はそう言ってる
彼はわたしの中のもうひとり
アニムス
なかなかマッチョな男



ラクなやり方にも作法はある
彼はそう言ってる
冷蔵庫を足で閉めながらグラスを手に
早々と喉の渇いたわたしの右手へ
左手から手渡す



ギターがのびやかに歌ってる
ヴォーカルのキックとタメは濃い酒のよう
今しもわたしはアニムスに
髪に花飾られ やわらかな地に招かれ
意味ありげな含み笑いでグラスに口をつける



さっき見たのだ
アニムスは飲み物の中に
なにやら甘そうな薬をそっと仕込んでいたのを
まあいいさ
バロンが帰ってきたら
その力でわたしたちはひとつになり
花はバロンの上に美しく散るだろう
作品名:アニムスと 作家名:青井サイベル