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かなりえずき
かなりえずき
novelistID. 56608
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あなたはどの数字と結婚したい?

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「プロフィールを見て、会いたい人がいたら
 液晶パネルをタッチしてください。
 すると、部屋にその人が通されます」

「最近の結婚相談所ってハイテクなんですねぇ」

すっかり感心してしまった。
家族から「いつ結婚するんだ」という圧力に負けて
なんとか早く結婚相手を見つけなくちゃならない。

数あるプロフィールから、特に優秀な子を選んだ。
部屋の仕切りがはずれて本人が登場。

「はじめまして、私は1。
 あなたが私を1番に選んだのね」

やってきたのは数字の「1」。

「まあいいわ。とりあえず彼女になってあげる。
 そういうルールだしね。この相談所」

「あ、はい……」

1との交際が始まった。
1は頭脳明晰スポーツ万能で非の打ち所がない。

しいてあげれば、何にでも1位を目指すために
周りとの衝突が絶えず常に孤立していた。

「1番は常に孤独なのよ」

と、1は気にするでもなく答えた。
ああ、こいつとは無理だなと最初の1日で確信した。


次に、別のプロフィールを押してみる。
今度は完全にスリーサイズだけで判断した。

仕切りが外れると8がやってきた。

「はぁ~~い♪ お呼びか・し・ら?」

8の上の○がぼいんぼいんと揺れ、
ウエストはしまり、ヒップはセクシー。

「うふふっ、それじゃあ行きましょうか」

とりあえず付き合ってお互いの相性を確かめる。
この相談所のルールがこんなに嬉しく思ったことはない。

セクシーな8に腕を絡ませられ悪い気はしなかった。



その後も、別の数字と交際をしてみた。
1を除いて誰もが魅力的だった。

特に気に入ったのは、いつも元気でお調子者の7。
マイペースで一緒にいて楽な0が印象的だった。


「それで、結婚相手は決まりましたか?」


期間内に相手を決めるのがこの相談所のルール。
誰と結婚するか悩んだが候補は3つに絞られた。


(1)セクシーでグラマラスな8と結婚
(2)お調子者で元気な7と結婚
(3)自由気ままでまったりな0と結婚


悩んだ末に出した結論は……

「1でいきます」

「わかりました、1さんですね」

相談所は笑顔で1を通した。